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空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 北村薫

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
(1994/03)
北村 薫

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日常の謎解きというミステリに新たなるジャンルを産み出したと謳われている、
北村薫作品の第一作品である。しかも純文学と落語の世界も巧いこと融合をしているシリーズだと聴くに及び、

『これはいつか通して読みたいぞ』と言う念が強くなっていっていた。
そんな折、古書店にシリーズが全巻揃っているのを発見!興奮し『読むなら今だぞ』

背中を押された気分になりまとめ買い、読書を開始した訳である。
それにしても!!北村さんは名文家だと思う。

女子大生の私の朝の眠気の描写がサラリとしていて気が付けば最早小説の虜。
頁を捲る手が止まらなくなった次第である。謎解き役の噺家円紫師匠と私が出会うまでの筋書きも

心憎い演出で構成されている。非常に美味なる珈琲を御馳走してくれる教授の語る織部の茶碗について。
そこから話は転がり出して教授の教え子として登場をするのが円紫師匠なのだ。

第一短編【織部の霊】にて師匠は恩師が子供時代から数十年抱えていた織部への恐怖心が
何処から発生していたかを快刀乱麻の知恵働きで解き明かして見せる。

記憶力と推理力を円紫さんの理知的な論理力が支えているのに圧倒された。
次の短編【砂糖合戦】にしても主人公の私が、実は、珈琲よりも紅茶の方が好きだと呟いたのを覚えていた

師匠が、彼女を紅茶専門店へと誘ったことから、三人組の不振な客が砂糖壺に
何を仕掛けていたかを鮮やかに解き明かす。円紫師匠の人間性の高潔さが心地好く、胸に響く物があった。

第三短編【胡桃の中の鳥】はもう冒頭からして素晴らしい。『旅の始まりは、門を出た第一歩からである。』
その一文から何が起きるのかと考えドキドキした。長閑な旅路を楽しむ私に、

果してどの様な事件が入り込んで来るのか!?旅空の下師匠はどのように謎に絡むのか!?
謎が解けた後の円紫さんの含蓄ある発言に大いに感動した。第四短編【赤頭巾】謎を持ち掛ける私と、

謎を解く師匠の不思議な距離感が程好く感じられた。毎週日曜の夜九時になる度、
公園に出没する赤い洋服を身につけた赤頭巾ちゃんの正体や如何に!?

謎に含まれたほろ苦い事実が浮かぶに連れ、19の女子大生・私に、大人としての心構えを優しく
教え諭す円紫師匠の振る舞いがスマートで読み応えがあった。そして最終短編は表題作でもある【空飛ぶ馬】。

12月。師走の慌ただしさの最中にやり取りされる人と人との情、何より暖かいものを北村薫は、
このように書き記す。『解く、そして、解かれる。解いてもらったのは謎だけではない。
私の心の中でも何かが静かにやさしく解けた。』

穏やかで愛しさすら感じさせる一巻の物語の締めくくりに『この短編集を読めて本当に良かった』としみじみ。
全体の構成の見事さに拍手を贈りたい。一読の価値、大いにあります。

絶賛推薦致します。是非どうぞ!!

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