![]() | スターバト・マーテル (2011/09/14) ティツィアーノ スカルパ 商品詳細を見る |
この本のことはbk1さんのオススメ書評欄に掲載されていた書評で知り、どうしても読まねば!
と言う気になり手に取った次第です。それにしても、170頁に満たない、この中篇小説は、
とんでもない吸引力を放っていました!全編を通じて、養育院に住み暮らす、
孤児の少女チェチリアが己の孤独や、自らの死をも含め、自分を捨てた母親に向けて、
赤裸々に独白するるのですが、その切実過ぎる内容から、目が吸い付いて離れなかったです。
養育院では、孤児の少女達から、特に芸術的才能を有する者を選り分け、音楽の英才教育を施す。
そんな日々を繰り返す中で、チェチリアは自身の持っている創造的感受性に押し潰されそうになる度、
秘密の闇夜の場所に隠れ、黒蛇の頭をした、象徴としての《死》に語り掛けるのです。
その生々しさと来た日には!!少々長くなりますが、引用をさせて下さい。
『お母様が感じたはずの恥を、自分でも感じてみようとします。自分の中に過ちを宿すって、
どのような気持ちなのでしょう。なにが第一なのでしょう?誠実であること?けがれない処女でいること?
自分のけがれを愛すること?自分の過ちを自分の心の中にもち続けること?子供を見捨てないこと?
なにが第一なのでしょう?なにがいちばんだいじなのでしょう?』黒蛇は意味深に応えます。
『人の話を聞くとき、あなたは彼女らの口の中の黒い歯を見ている。
生きている間に言わなければならなかったたくさんの言葉のせいで、黒くなってしまった歯を。
それにあなたは相手の目を見ないで、その少し下を見ている。
生まれたときから見なければならなかったたくさんのことのせいで、くすんで腫れぼったくなった隈が、
あなたは気になってしかたがないのよ』わたしたちはまだ生まれてはいない。
そう信じ込んでいたチェチリアの小さな世界を壊し、より外の世界へと向かわせようと登場するのが、
新任の、アントニオ・ビバルディ神父。神父の型破りで、芸術至上主義なやり方は、
チェチリアの内側を、轟音と共に鳴り響く稲妻と化して、いたいけな少女に襲い掛かって来て…。
クライマックスに向かう局面の圧倒的な描写を是非あなたにも味わって欲しい、孤独とは?
生や死とは?を深く考えさせる一冊。是非、読んで震えて下さい!!
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