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【下北沢】 藤谷治

下北沢下北沢
(2006/06/30)
藤谷 治

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愛すべき物語!出てくる人たちが、みんな明るく、前向きで、互いに少しずつの切なさを抱えていて。
これを読んで、行った事のない『シモキタ』の街を想像し大好きになった!!なんだか街が

『生き延びようとする』タフなリアリティーに満ちているのって、素晴らしいと思う。
作者の藤谷さんは芯から下北沢の事を愛しているんだろうな。

夢みる街が併せ持つみっともなさも隠すことなく正直に告白している所に好感が持てる。
主人公・勇の言葉を引用したい。『下北沢では、誰も夕焼けに心を向けない。

向ければ憂鬱になってしまうからだ。下北沢では、何も社会に有益なことが起こらない。
だから人々は夕焼けに目をやってしまうと、今日も無益なまま終わってしまうと、

やりきれないような気持ちになるのだ。無益を享楽するためにここにいるにもかかわらず。』
さて、いよいよ、あらすじの紹介に移ろうと思う。主人公の勇は脱サラして、

何でもあり的なレンタルボックスの店をしている。この店には、あらゆる人種が集う下北沢の中でも、
よりコアな人たちが吸い寄せられるらしい。散歩途中とおぼしき老人がフラりと立ち寄ったかと思えば、

空き地の壁に絵を書いているという女の子が昼飯の弁当を使うのに店先を利用したり、
果ては正体不明の『ホットパンツ親爺』が現れたりして。だけど。

常連客で映画制作会社での字幕書きの仕事をしている美人の桃子さんに勇は恋している。
この恋の道行き、と言うか、勇念願のデートが行われた一日の下北沢の街の様子が、正午から深夜零時過ぎ迄、

時系列を前後させながらも丹念に描かれていくのが面白い。まずは何と言っても特筆すべきなのが、
ストリート詩人を名乗って店に現れた土蔵真蔵。こう書けば夢野久作氏の文学作品【ドグラマグラ】と

読むのだろうと思われる方もいらっしゃるだろう、が、左にあらず。どぞう・しんぞうと読むのである。
彼は『俺こそが、日本に朗読ではないポエトリー・リーディングを輸入し広めた張本人だ。』見栄を張り、

勇も気圧されたのか、共感したのか知らないが、財布の中からなけなしの五千円で詩集を買い取ってしまう。
ここから、土蔵真蔵は転落の上に墜落を重ね、下北沢ホームレス、通称ポエムと呼ばれる街の厄介者と

成り果ててしまう。それでも妙に勇になついては店先に出没し、
詩を読み聞かせようとする土蔵真蔵の姿は、ある種の特殊才能にすがるより他なかった男の

滑稽で哀切な生きざまだと思わずにはいられなかった。勇の恋路に被さる様に、
下北沢の街や人が逞しい時間を過ごしているのを感じさせてくれ、

最後には、元気を貰える本です。オススメ致します!

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テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

人生は舞台?

とシェイクスピアが云ったそうですが、下北沢も演劇の町ですよね。一度行ったことがあります。
若いエネルギーが乱反射しているような場所でした。
私は新宿で、「私の詩を買って下さい」と書かれたダンボールを首からさげた女性を見かけて、思わず買いそうになりました。今思えば買っとけば良かったな。

おぉ!行かれたんですね下北沢

下北沢。一度行ってみたいんですよね、街に匂いがある感じの場所が好きなんですよ。

新宿の詩集売りは有名ですよね!?どんな詩なのか読んでみたい気がします。
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福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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