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【闇の守り人】 上橋菜穂子

闇の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ)闇の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ)
(2006/10/31)
上橋 菜穂子

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『守り人シリーズ』第2弾は女用心棒バルサが25年の歳月を経て、
生まれ故郷であるカンバル王国に戻ろうとする場面から始まる。バルサは養父ジグロがある理由から、

自分を連れ逃げ延びた時に使った、洞窟内の闇の中を手探りで進んでいた。
それと言うのも洞窟には火を嫌う『ヒョウル(闇の守り人)』が暮らしていて、

松明を持った侵入者は命を狙われると伝えられていたからだ。
けれども、単独で洞窟内に入ったジナと、彼女を救う為松明を持ち込んだ兄カッサとの兄妹が、

まさにヒョウルに襲われる所を、間一髪助けようとして、バルサは早速ヒョウルと手合わせをする事となる。
が、お互い凄い使い手の様で、技がからみあい、ひとつの流れになってしまう

『槍舞い』を舞うことで手合わせは終わる。お礼をしたい様子の兄妹に、訳ありのバルサは
『わたしは〈償い行〉つぐないぎょうの最中なんだ。』と話し納得させる。

償い行とは、なにか重い罪をおかし、その罪を償う前に死んでしまった肉親や、
恋人の罪を償う為に行う苦行をいう。バルサは養父ジグロの為に、償い行をしているようなものだ。

しかし、せっかく言い聞かせたバルサを秘密扱いにしてくれという約束も、
ジナが偶然、洞窟から持ち帰った、カンバル国の秘宝であるルイシャ〈青光石〉の存在がばれて、

洞窟内で起こった一部始終を話さねばならない羽目に陥ってしまう。
そして25年の年月の間に、ジグロがした事になっている悪行の噂の影に

ジグロの弟ユグロの存在が絡んでいる事に気がついたバルサ。全体を通じ、
人の心に巣くう怨みや憎しみの闇の感情に光が当てられていて、

特に自分の権力の座を守るために嘘に更なる嘘の上塗りを繰り返すユグロのエゴイスト振りが目立つ。
バルサを確実に仕留める為、射っ手(うって)の槍にトガルという毒を塗らせてまで執拗に追い詰める。

反面、バルサの誇り高く潔癖な振るまいには微塵の嘘・偽りもない。
次第にあらゆる人たちを味方に引き入れていく様に凛とした美しさを感じた。

カンバル王国の地下に住む〈山の王〉の領民たちの意外な素顔と、
私たち読者の想像を遥かに超えたヒョウル〈闇の守り人〉の正体とは果たして?

バルサは無事にカンバルの〈王の槍〉たちから大切な存在を無事に守り抜いて、
〈ルイシャ(青光石)〉贈りの儀式を見届ける事が出来るのだろうか?

等々、物語りが後半を迎えるに連れて予想外の展開が目白押しだが、
バルサの持っている揺るぎない成熟した人間力が物語りの幅を広げるのに役立っていると思う。

素晴らしく深みのある作品です。オススメ致します!!

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