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【どうで死ぬ身の一踊り】 西村賢太

どうで死ぬ身の一踊りどうで死ぬ身の一踊り
(2006/02/01)
西村 賢太

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前々から西村賢太氏の存在は知っていた。が、とてもおっかない装丁と漂う妖気に尻込みをし、
今日まで読まずに来ていた。が、芥川賞を授賞されたニュースに映し出される挙動不審人物が、

賞金を根こそぎ、敬愛する私小説家の全集出版の為に費やすと聞いて、途端、
『読まなくては!』そう強く思った。読む。素手で首根っこを捕まれてゴツン!ゴツン!

ぶん殴られているかの様な力づくの文体は、まるで、故・中上健次氏のそれを思い起こさせた。
内容は短編・中編、計三編からなる私小説集である。

大正時代の一時期に限って活躍し最後は凍死した作家藤沢清造への強い思いが、
毎月二十九日の清造の命日に、はるばる東京から石川県七尾市まで月参りさせる様子を描いた【墓前生活】。

人間社会や人生についての作家の鋭い観察眼が筆に乗って迸る。藤沢清造に関しては
『この世にはその個性がどうしてか人に容れられず、相手を意味なく不愉快にさせたり、

陰で首をひねられたりしてしまう、悲しい要素を持って生まれた人がいるが、
清造などはまさにそれの典型たる一面があった。』そう分析している。言い得て妙だと思う。

西村さん自体、酒乱気味で記憶を失った挙げ句に、何故か全裸で警察のブタ箱に放り込まれたりしている。
経験が吐かせた言葉だと思う。さて、西村さんの墓参だが、毎月現地に出向いた情熱が実を結んだのか

新たな墓が建立された際紛失されていた、本来の木の墓標の発見に成功し、いきおいで『下さい!』と口走り、
副住職との対立を経て翌日、今度は住職夫妻に『あれはたわむれで欲しているものではない、と。』の理由で

墓標所持を許された西村さん。 この白熱したやり取りは、是非読んで欲しい箇所である。
『清造忌』を執り行うことにした顛末を描いた【どうで死ぬ身の一踊り】藤沢清造の事以外は、

私生活全般のもろもろが、からっきしダメなクズ男の日常生活が赤裸々に告白されている。
暮らしている女性の父から、三百万円も借金してる癖に、女性からも平気で金を無心するし、

あまつさえ、口論に負けると、勢いで、暴力まで奮う有り様なのだ。
そんな散々な日々をどうにか生きてる西村さんは、『何んのそのどうで死ぬ身の一踊り』

という藤沢清造さんの生死観に殉じ、文章の中で呼吸をするより他にない文士だと
呼んで良いのではないかと思う。美しい物を追い求めて、あがき続ける愚か者。

愚直なるものにこそ真実が宿るんだな、と強く感じる作品だった。
そして最後に収められているのが【一夜】同棲している女性との、パンパンに張り詰めた関係が決裂しそうな、

ある一夜の情景が描かれている。正直、『藤沢清造の因果が今、
西村さんの身の上に降りかかろうとしているのに、どうして気付かないのかな!?』そう強く感じた。

ただ西村さんの中にある狂気と紙一重の潔癖さと審美眼に、唸らされる場面が何ヵ所もあった。
藤沢清造の著作共々、気にかかる存在だ。読み手は選ぶかと思うが、読んで損はしない作家だと思う。

気になった方は是非どうぞ!

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