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【精霊の守り人】 上橋菜穂子

精霊の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ)精霊の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ)
(2006/10/31)
上橋 菜穂子

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感動した。物語が深い。主人公の女用心棒バルサが、めちゃくちゃカッコいい。
世界観を構成している自然観からして独特で興味深く読ませるし、面白い。登場人物が皆、

それぞれに味わい深いキャラクターをしている。敵でさえも、
プロの意識がひしひしと伝わって来て物語の展開にスリリングさを増している。

と、ほめ言葉をいくら列べても足りない位に引き込まれた。もう、あらゆる人にオススメしたい。
良い小説ですよぉ!!読んで、読んでみて!?と、言うわけで。前置きがかなり長くなってしまいましたが、

この飛びっきりに素晴らしいファンタジーのオススメ内容を記したいと思います。
舞台となるのは神話が今に息づいている国『新ヨゴ皇国(おうこく)』冒頭、いきなり事件は起こります。

突然牛車の牛が暴れだした事で山あいの峡谷から谷底の川へと墜落したのは第二皇子チャグム。
皇国では、帝は神の子孫とされている為、皇子の身に起きた事は国を揺るがしかねない重大事です。

皇子の命を救ったのは、短槍の使い手凄腕用心棒のバルサ。
彼女は褒美として皇子の母である二ノ妃に招かれます。

が、妃から告げられたのは『息子は命を狙われている。どうか用心棒として、息子を救ってほしい。』
と言う宣告。そこからバルサと皇子チャグムの逃避行が始まるのです。

ここで何故チャグムが命を狙われなくてはいけなくなったかですが、
そこには皇国建国時に開国の祖トルガル帝が退治したとされている水の妖怪伝説が介在してきます。

な、なんと建国から二百年の時を経てあってはならない事態、
チャグムの体内を巣に水妖が卵を産み付けたのではないか、と言う疑惑が囁かれ始めたのです。

噂が拡がれば皇国の治世の基盤を揺るがしかねなくなる訳で…。
その為に事故に見せかけチャグムの命を奪おうとする勢力が出現します。

帝の下で天空の星の動きを読み、国政にも意見出来る『星読み』の最高権力者である聖導師ヒビ・トナン。
彼からの密命を受け、野に放たれたプロの暗殺者集団『狩人』四人衆。

お頭モンの指示を受け、バルサ追跡を開始するのですが、蛇のような執着力で、包囲網を張り、
逃亡者を追い詰める頭の冴えは実にスリリングでした。こうしていよいよ対決となります。

バルサは一人で多数と戦うのですが傷付くのを少しも恐れない豪胆さに加え、神業の短槍さばき、
めちゃくちゃ強くて痺れました。死闘の果てに傷ついたバルサは、

幼なじみの薬草師タンダの所に落ちのびます。経緯を話していくうちに、
チャグムの体内に何がいるか分かった様子のタンダ。新ヨゴ皇国が出来る前、

先住民としてヤクー達だけが住んでいた。彼らは普通の世、サグの他に、この世には、
同時にふだんは目に見えない、もうひとつの別の世界ナユグがあると知っていました。

ナユグの、ある生き物が、百年に一度サグのものに卵を産む。卵が産まれた次の年は、
なぜか大干ばつが襲ってくる。卵を産む生き物こそ、ニュンガ・ロ・イム【水の守り手】。

ニュンガ・ロ・チャガこそ、卵を産みつけられた子【精霊の守り人】と言われ敬われたのです。
精霊を果して何から守るべきなのか?ここから怒濤の展開が押し寄せます。

タンダの師匠大呪術師のトロガイの圧倒的存在感、聖導師の後継を託された、
星読みシュガが読み解く事となる隠された建国の真相等、読み応えバッチリです。

個人的には皇子チャグムがただの少年として暮らしている自分を受け入れていく心理描写、
言葉遣いも貴族言葉から、少年のそれに変貌していく様がとても自然にかつ丁寧に描かれている辺り

好感が持てました。壮大なるスケールの物語り世界、大・大オススメです!! ビバ、バルサ!

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