スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【商人】 ねじめ正一

商人商人
(2009/03/26)
ねじめ 正一

商品詳細を見る


ねじめ乾物店の倅であった、ねじめ正一さんが、大手鰹節問屋伊勢屋にんべんの三代目伊之助の
紆余曲折の商人人生を描いた小説。これが実に波瀾万丈なのだ。まず商家の伜と言えど、未だ半人前、

次男のボンボン育ち、何をさせても何処か危なっかしい。
(商い物の鰹節造りの見習いに行った時にも漁船から海に落ちている。)

そんな中、店を興した初代であり、父である伊左衛門が中風により逝去する。
さぁ、これから先が踏んだり蹴ったりの不幸のオンパレードだ。

出入りの大名家からは取引中止を、一方的に通達されるわ、
父の親友であった大阪の商人からは物置小屋の様な寝所を提供された挙げ句、

粗悪な鰹節を握らされる始末。良縁に恵まれたはずだった妹も、夫がDV男と、タチ悪い事この上ないし。
衰退の一途を辿る伊勢屋の運命や如何に!?とハラハラドキドキしながら伊之助を応援したくなる。

それと言うのも、伊之助を初めとする、伊勢屋にんべんの人間も、伊之助の親友である、油五
(あぶらご=油屋の五男だから)も、実に人間的で、深い魅力溢れる人達だからであろう。

さまざまな体験を通じ、『商売』の道理を自分の肌身で身に付けていく様子も良い。
伊之助の母はるが、伊兵衛、伊之助、二人の息子に商いについて垂れる訓話も、

なんとも、人情味に満ちていて良い。のだが…。不幸は伊兵衛の頭上にも降りかかるのだ。
そうして兄に代わり、当主の仕事をするようになった伊之助。大・大名加賀様の入札を経験したからなのか、

『失ったものは失ったものとして眺め、別の新しい芽を探す。新しい芽を見つけ、育て、大きく繁らせる。
そのために先の先を読む。読んで読み切って、自分が読み切ったものに賭ける。

それは自分に賭けることと同じだった。』と何でも大きく見ることが出来る様になっていくのが頼もしい。
次第に商人らしさと貫禄を漂わせ始めた伊之助の元に、今度は押し掛け女房が嫁いで来る。

木枯らし吹く晩方に、一人っ切りで嫁に来た妻女の名前は『ため』。信心深く肝っ玉が太い。
この女房と伊之助との繋がりに理想的な夫婦像を見ているような気がした。妻を得て更に、

商人として勝負に出る伊之助。それまで、日本の鰹節はすべて大坂の鰹座が押さえていた。
そこに、新しい鰹節、江戸の人の口に合う鰹節を、独自に拵えたいと言うのだ。

兄を、そして父の業績をも越えようとする商人の心意気。同業の誰もが成し遂げられなかった

現金掛け値無しの売り方をも定着させようと創意工夫する姿勢。
止めに、にんべんの鰹節は高いと言って買えずにいた町人にも、削りたての削り節を、安い値段で提供する。

そう、商いは、人の喜ぶ顔を見るためにするものである。
『人が喜び、喜ぶ人の顔を見ることで自分も喜ぶ。それが商いの醍醐味である。』

と思えるまでに精進した伊之助に拍手を贈りたいと思う。
読み心地も読後感も良い作品です。オススメします!!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

SNS「本カフェ」参加中!

ランキングに参加しています!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイスト志望へ

プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

love_heartgraffiti★yahoo.co.jp ★を@に変えてご連絡下さい。

※あきらかに当ブログと関係のないと思われるコメント・TBや『これはひどいなぁ』と行き過ぎを感じさせるコメント・TBは削除させて頂く場合があります。ご了承下さいませ。

メールお待ちしています☆

名前:
メール:
件名:
本文:

HEARTGRAFFITIのすべて

ご訪問ありがとう!

☆検索☆

ジーナフウガの一冊入魂レビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。