スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【南の子供が夜いくところ】 恒川光太郎

南の子供が夜いくところ南の子供が夜いくところ
(2010/02/27)
恒川 光太郎

商品詳細を見る


子供の頃、世界はとても不安定で、夜は果てしなく深く怖いものだった。
頼りに出来る大人と言えば、まずは親で、自分の人生など、親の機嫌一つでどうとでも転がされる、

それくらいにぼんやりとしたものだった。もっと有り体に告白すれば、自分は何時まで、
この大人の保護下に置いてもらえるのか?何らかの心変わりで置き去りにされやしないか?

常に頭の中はそんな風な最悪のシナリオを描くのだった。恒川さんの作品を読むと、
子供時代の怯えから来る脂汗の感触が蘇る。それ以上に、子供でも、

良い保護者に巡りあえれば充分に力強くやっていけることが分かってくる。
今回の作品には、借金苦で無理心中を考えている身勝手な親から、間一髪、

生き延びた息子のタカシと、不思議な力を発揮する『自称百二十歳』のユナさんとが連作短編で登場してくる。
南の果ての島『トロンバス島』』に連れてこられたものの、誘拐されたのではないか?

などと子供らしく迷っているタカシ。満月の夜に、悪夢に迷い込んでしまう。そんな時南の島の子供は、
悪い夢をとる力があるとされるおばさんの家に連れて行かれる。

夢の中をたゆたう様子に幸せが溢れている【南の子供が夜いくところ】
美しく優しい物語に心が洗われた様な気がする。ユナさんの生まれれた神話の息づく島。

平和だったはずの島に生じた悲劇。百二十歳の長寿をユナさんが持つに至ったきっかけには
考えさせられる物があります。【紫焔樹の島】百二十年を、独りで越えてきたであろうユナさんの孤独、

歳月が彼女に与えたであろうもの…。次の話【十字路のピンクの廟】も、
島の子供が、ご先祖様のお墓参りの夜に体験したであろう神秘的な出来事が発端となっている話。

問題になっているピンクの廟に掛けられている呪いの解き方、心持ちが温かくて良いなと思った。
故郷の島の危機を救うべくして、独り、大海原の遥か彼方に住むと言う伝説がある、

『大海蛇の一族』に会う為の航海に乗り出したシシマデウさんの冒険譚は、
何時しか現在のトロンバス島に暮らす、タカシやユナさんと結び付いて…。

太古の昔から現代まで。男の旅立ちに理由などないのだなぁ、そう思わせるラストが胸に響きました。
【雲の眠る海】恒川さんの紡ぎ出す物語の視線の先には、人間が、普段隠している

欺瞞や欲望を鋭く切り裂くナイフのような怖さが隠されている【蛸漁師】長い眠りから目覚めた男、
上半身は土の上、その下はすっぽり地面に埋まっている。彼の過去に何があったというのか?

【まどろみのティユルさん】タカシに会いにきた父親が、島の魔法が掛かった地域に迷い込んで、
悪戦苦闘する様子。【夜の果樹園】もし自分が、自分の意思とは関係なく、

人間以外の生き物になってしまったとしたら…。恒川流ホラーの真骨頂が味わえる佳作です。
最後まで一貫して、魔法に彩られた作品集になっています。

新感覚のファンタジー・ホラーを是非、ご賞味下さいませ!!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

-

管理人の承認後に表示されます

SNS「本カフェ」参加中!

ランキングに参加しています!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイスト志望へ

プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

love_heartgraffiti★yahoo.co.jp ★を@に変えてご連絡下さい。

※あきらかに当ブログと関係のないと思われるコメント・TBや『これはひどいなぁ』と行き過ぎを感じさせるコメント・TBは削除させて頂く場合があります。ご了承下さいませ。

メールお待ちしています☆

名前:
メール:
件名:
本文:

HEARTGRAFFITIのすべて

ご訪問ありがとう!

☆検索☆

ジーナフウガの一冊入魂レビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。