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【まほろ駅前多田便利軒】 三浦しをん

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
(2009/01/09)
三浦 しをん

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凸凹コンビの活躍する作品は面白い!何故なら彼らの発する摩擦熱から人間の匂いがするからだ。
この作品もそうだった。神奈川県に間違われる東京の外れまほろ市が舞台。主役の多田はタイトル通り、

まほろの駅前で便利屋を営んでいる。舞い込んでくる依頼は様々で、正月に、
自宅前を走っているバスが運行表通りに、間引き運転をせず走っているかを延々見張らされたりもする。

そんな仕事を終わらせたある日の事、多田はバス停で不思議な男と再会を果たす。
男の名前は行天、高校時代は、とにかく言葉を発さないのを周囲に不気味がられてた奴。

もちろん多田と行天は友達なんかじゃなかったけれど、多田は行天が不慮の事故で
小指を切断する傷を負うハメになった時に初めて口にした『痛い』と言う言葉が忘れられないでいた。

幸い指は元通りに縫合されたのだけど…。久しぶりに会った行天は実に口数が多く、
厚かましさまでをも身に付けた、冴えない中年男となっていた。かくして訳在り

中年・凸凹コンビ便利屋稼業がスタートする、のだけれど。依頼主から塾からの迎えを仰せつかった
小学生の少年は、危険なバイトに手を染めてるわ、そのせいで便利屋なのに私立探偵並みに

ヤバい橋を渡らざるを得なくなるわ、のっけからピンチを迎える目に遭うのだ。
おまけに行天は意外にも腕力で物事を片付ける武闘派タイプだったもので、事態は中々穏便に進みはしない。

だが、この行天という男には不思議な愛嬌があり、どこか憎めないのだ。
多田も行天の行状に散々振り回され愚痴をこぼしながらも、彼が依頼主に好かれたり、

案外と役に立つ部分もある事を知るにつけ、内心では行天を必要としている自分が居る事に気付く。
2人の微妙な距離感、互いにベタつく事なく、それでもパートナー関係を保持している所が好きだ。

便利屋の仕事は嫌でも各家庭の様子を覗き見る事になる。
人間模様に対する2人の接し方の違いに面白さを感じた。

そして物語が進むにつれて明らかになる多田と行天の過去の傷。
傷というものは個人の考え方や行動に深い影を落とす。不器用な2人だけに、傷の深さ、

影の長さを隠し持つ意味の大きさが印象的だった。物語を単なる痛快ストーリーから、
グレードアップさせるのに成功している点だと思う。それにしても作者である三浦しをんさんは、

心理描写だけでなく、人間の真実の思いにスポットライトを当てて、
物語世界にリアリティーを持たせるのが上手い。今回も存分に堪能した。

自分の育った家庭に悩んでいる人、秘密に苦しみ続けている人にこそ、
読んで欲しい充実した内容の一冊です!!

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テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

まほろ駅前番外地も読んで下さいね

バスの運行表を見張らせるおじいさんと奥さんが好きです。
行天も破天荒で気になりますよね。
まほろ市が、大学の時に通ってた東京都町田市なので
これはあの辺やね、とか頭に浮かべながら読みました。

番外地も良いそうですね。

バスの運行を見張らせる、あの旦那さん良いスパイスとなっていますね。


行天の多面的な性格にも惹かれます。


地元ローカルな場所確認とかも楽しそうですね。
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福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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