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【氷菓】 米澤穂信

氷菓 (角川スニーカー文庫)氷菓 (角川スニーカー文庫)
(2001/10)
米澤 穂信

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冒頭の設定からして、とても面白く引き込まれる物を感じた。
何せ『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に、だ』が、

主人公・折木奉太郎のモットー。そんな彼が(何故だかインドのベナレスに滞在中の)
姉からの手紙での指令で、とは言え成りゆきで、潰れかけた古典部を救済すべく入部する。

ここから古典部活動を巡り物語は展開する。
『部員がお前独りならば、学校内にお前だけのプライベート・空間を確保出来るって訳だ。』

そんな風に仇敵・福部里志に唆され訪れた部室、地学講義室には先客として、
不思議な雰囲気を醸し出している少女、千反田えるが居た。

千反田との初対面の挨拶を終え帰ろうとした奉太郎。その時千反田が言う
『どなたかはいらっしゃるものと思っていましたから、鍵を用意してこなかったんです』

更に、奉太郎が来た時、鍵は閉まっていた。ので、当然、
先に来ていた千反田が鍵を持っているものと考えた。けれど千反田は自分は閉じ込められていたと主張。

果たして、これは一体どういう事なのだろうか!?
【伝統ある古典部の再生】千反田を部長に据えて新入生三名による新生古典部が始動する。

のだが、古典部とは一体全体どの様な活動をするものなのだろうか?
それを知る為の手懸かりとして部の活動内容をまとめた文集の存在が重要になるはずだと訪れた図書室。

そこで奉太郎逹は、毎週金曜日の昼休みに貸し出され、
放課後には必ず返却されるという一冊の本があることを教えられる。

それは読むには余りに分厚い、『神山高校五十年の歩み』。
そんな分厚い本に短時間限定で毎週借り手が付くなんて、どういう理由があっての事なんだろうか?

【名誉ある古典部の活動】ある日曜日、千反田に呼び出された奉太郎。彼女は告白する
『古典部に入部をしなくてはならなかった一身上の理由』を。

行方不明になって七年目、今年で死亡したことにされてしまう、
伯父との思い出の中に『古典部』という単語があることの意味、理由を、

何とか思い出させてはくれないかと奉太郎に依頼する千反田。
『自分がしなくてもいいことはしないのだ。だったら、他人がしなければいけないことを手伝うのは、

少しもおかしくはないんじゃないか?』と葛藤しながらも引き受ける奉太郎。
【事情ある古典部の末裔】冒頭の奉太郎への手紙ではインドのベナレスにいたはずの奉太郎の姉、

折木供恵が、今度はトルコのイスタンブールから手紙を寄越した。
その手紙にはなんと!古典部文集のバックナンバーの在処が記されていた。

筈なのだが、保管場所として使用されていた薬品金庫は、昨年度の部室交代により、
現在は壁新聞部の部室の敷地内へと替わっていた。早速、壁新聞部に交渉に向かう奉太郎逹。

だが思惑は外れ、壁新聞部の部長は、そこにある筈の薬品金庫などないと言うのだ。
文集は何処へと消え去ったと言うのか?奉太郎逹古典部員は如何なる方法で文集を入手するのだろうか?

【由緒ある古典部の封印】文集を入手する事に成功した奉太郎たち。
文集の名前は『氷菓』その創刊第二号には三十三年前、

千反田の伯父が何らかの事件に巻き込まれたらしき様子が記されていた…。
早速数少ない手掛かりを基に真実の究明に乗り出す古典部員。

【栄光ある古典部の昔日】文集『氷菓』に書かれている千反田の伯父、
関谷純の物語は決して英雄譚なんかでは無いものだった。最終的に明らかにされる

『氷菓』に込められた真意とは?周囲の高校生活を『薔薇色』だが浪費の多い物として、
自身は『灰色』の日々を甘んじて送ろうとしている主人公奉太郎が、

日常に潜む謎を解き続ける内、次第、次第に活動的な思考を取るようになっていくのが面白い。
他にも、随所に的確にユーモア一杯の表現がなされているのも、

シリアスとコミカルのバランスが取れていて良かったと思う。
この本が読めて良かった。そう感じさせる読後感の爽やかさも抜群です。オススメ致します!!


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