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【総員玉砕せよ!】 水木しげる

総員玉砕せよ! (講談社文庫)総員玉砕せよ! (講談社文庫)
(1995/06)
水木 しげる

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終戦してから64年となる、今日8月15日。
久しぶりに、この本を再読し、戦争が起きた時に、軍人ではない、

我々一般人が果してどのような目にあうのかを再確認して、改めて戦争の持つ悲惨さと、
極限状態における人間の醜さ、愚かしさ、について考えた。

作者・水木しげるは、自身を投影した主人公である、初年兵丸山の、
軍隊での日常を極めて冷静に、淡々と描いて行く。

故国を遠く遠く離れた、南方の密林の中に陣地として建てられたあばら家。
そこには、食糧補給に出かけた際、ワニに食われて死ぬ者、空腹の体を雨に濡らし、

マラリアによる高熱で命を落とす者。死の臭いが充満している。
けれど、そんな死んでいった者の亡骸を埋葬したくとも、ぐずぐずしていると、

いつ圧倒的な兵力差を誇る敵から蜂の巣にされるか、予測が付かない。
『名誉の戦死』からは程遠い、惨めで悲しい死体が転がるだけだ。

その為か、初年兵たちは、何かというと理不尽なビンタの雨を降らせる上等兵の虐めにも負けず、
こっそりと自分用バナナを蓄えてみたりして、必死に生き延びようとする。

日本本土から遥か彼方の南方の島で、兵士逹が話し合う。
『小隊長どの、内地は毎日爆撃されてるって話じゃないですか』『う~ん』

『かんじんの内地がめちゃくちゃにやられてたら、一体我々は、
なにしにこんなところで戦うのでしょうか。』『そいつぁ、わしにもわからんなぁ』

ここの場面の静かな描写に、痛烈な戦争批判と戦争の正体が描かれてあるような気がした。
『お国の為』『国を守る礎となる為』と言われ、祖国を送りだされ兵士逹の胸の中には、

果して、どのような思いがあった事だろうか。
食糧も弾薬も底を尽く中で、最後の最後、ゲリラ戦で生き延びるのを善しとしなかった軍司令部。

僅か五百人の兵士で二万の軍勢と戦った、楠木正成の不屈の精神に見習え!と
無謀な『精神論』を打つくらいの冷静さしか持たず、冷徹に部隊総員に玉砕を命じた上で、

自分だけは安全な作戦本部に逃げ帰ろうとする…。
命懸けで上層部にかけ合う軍医や、玉砕寸前に、

兵士全員が涙ながらに唄う『女郎の歌』が胸に
迫ります。戦争体験者が年々他界される今だからこそ、

戦争の実態を知る資料として読んでもらいたい、価値ある一冊です!!

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コメント

私も、折あるたびに、、

世界中の戦争の映画を観るように
しています。
最近は、本当に戦争の語り部が
他界されていき、何によって、
体験を残していくか、大切な問題ですね。
その中のお一人が、
写真を隈無く集めては、
証拠にされているドキュメンタリーも、
観たばかりでした。

私も、この日は、
詩に託しました。

お返事遅くなりました。

ジョゼさんへ

語り部の方たちから受け取った平和への意志や希望を、戦争を知らない我々の世代が、しっかりと考えていかなくては、と最近の風潮を見るにつけ思います。

繰り返さないこと、これが何よりですからね。
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福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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