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【おめでとう】 川上弘美

おめでとう (新潮文庫)おめでとう (新潮文庫)
(2003/06)
川上 弘美

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川上さんの文章を読むと気持ちが柔らかく揉みほぐされて行くのを実感する。
多分それは、川上さんの文章に、我々が普段の生活の、あらゆる場面で、何気なさ過ぎる為か、

つい見落としている様な物が、さりげない言葉で書かれて在るからなのであろう。
それまで、なんとなく感覚の外側で把握していた事柄も、言葉で理解すると、

『あぁ、こういう訳だったのか!』深い感慨を伴ってストン、腑に落ち、心身の内側で、
納得出来る様になる。つまりは、世界と自分とは地続きなのだ、

と思える安心感を読者に提示して見せられる所が、川上文学の魅力だと思う。
この世の中の、ありとあらゆる存在を分け隔てなく、1つに繋がった世界の隣人として

捉えているのも独特の面白みがある。12の短編を収録している本作品もやはり、
川上弘美さんだなぁ、うれしくなるなぁ!、そう思える言語表現に溢れていた。

『いつぞやはあたしのことをあいしていたはずなのに、知らない男と結婚してしまったタマヨさん』。
以来十年以上音信不通の関係だったが、ひきだしからタマヨさんの写真が出てきて、

まだタマヨさんがだいすきだということがわかり、長年の強情をさっぱりと捨てて、
タマヨさんに会おうと思った、あたし。お互いの十年、大昔ではない、けれど、

年月の経過を思い知るには充分な程、昔。恋に酔いしれる思いは、
すれ違ったまま【いまだ覚めず】。共に家庭を持つ身である、トキタさんと私。

いつもは待ち合わせの喫茶店でお茶を飲む間も惜しみ、一時間半の逢瀬を重ね続けて来た。
そんな2人が、いつもと違う時間、いつもと違う場所で過ごす、特別な一日。

2人切りで鍋を囲むクリスマス、大人の事情を静かに受け入れつつ、
それでも最大限に相手を思いやる関係。トキタさんが呟く

『百五十年くらい生きてれば、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ』って
言葉が切なく響いてくる【冬一日】西暦三千年1月1日のわたしたちへ向けての手紙。

現代から千年も先の世界では、人々の数もごく僅かになり、トウキョウタワーも近くに行くと
ぼろぼろに朽ち果てているのだけど、遠くにいる人々には変わらない、きれいな姿を見せ続けている。

そんな世界にあっても人々は、月日を数えたり、言葉を喋ったりするのをやめてはいけないと、
懸命に生活を守り生き抜こうとする。そんな中、寒くなるとやってくる新しい年。ときどきくる、

今のことを、今までのことを、これからのことを、忘れないでいよう、
と決意する新しい年の始まりの一日。【おめでとう】。

他人だった2人が、恋人になり、かけがえのない時間を共有する縁の不思議について、
バリエーション豊かに書かれているので、きっとお気に入りの作品が見つかると思いますよ、

オススメです!。

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