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【逃亡くそたわけ】 絲山秋子

逃亡くそたわけ (講談社文庫)逃亡くそたわけ (講談社文庫)
(2007/08/11)
絲山 秋子

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21才の夏は一度しかない!その夏が、あたしの夏が、なんにもないまま終わってしまう!!!
それだけは嫌だ!という単純明快な理由で精神病院からの脱出を決意した、花ちゃん。

ホントは一人で逃げるつもりだったけれど、病院の中庭で悲しげな顔して猫と遊んでいた
「なごやん」を目撃し、勢いと弾みで「一緒に逃げよう!」と声をかけてしまう。

かくして、なごやんの愛車【広島のメルセデス】ことルーチェでの逃走劇が始まるのだが、
東京オタクのなごやんが、『九州の観光地』には一切行ったことがないことが判明し、

車は本州方面に行くのを止め、ひたすら九州を南下する道を選ぶのだった。
BGMにはTheピーズの『どこにも帰らない』のカセットをエンドレスで鳴らして。

切ないなぁ、と感じたのが、病院で処方される劇薬が、自分を廃人に変えてしまう、
と信じ切っている花ちゃんが、それでも、なごやんの社宅に残っていた向精神薬の中から、

躁病の自分にも効果のある薬を選り分け、『薬が完全に無くなった場合、幻聴だけでなくて、
幻覚が出て来てしまう』。それほど自分の状態が、酷いって分かっていながらも、

迷わず逃亡をする点だ。このロードノベル。一見、花ちゃんの態度がハイパーがつく位陽気で、
ぶっ飛んでいるし、優柔不断で頼りなげに見えるなごやんも、相棒のイケイケな態度に感化され、

平気で畑に忍び込み、キュウリやトマトを泥棒したりしてるしで、
2人して善悪の判断に赤ランプが点灯しまくりの旅を繰り広げる訳だけれども。その根底には、

とっても純粋無垢な精神を持っている人、ならではの危うさも、時々顔を覗かせてくるのだ。
名古屋人として生まれて来た自分はコンプレックスの塊だ!というなごやん。

花ちゃんにしたって、出来心でした自殺未遂のせいで、通っている大学
(ちなみに筆者も同じ大学出身です)の友達連中や恋人から距離を置かれ、

一人ぽっち状態だし・・・。不自然な2人の自然で健全な珍道中は続く。
なごやんが、慶応大学出身なのに、福澤諭吉が大分県中津市の出身であった事をしらなかったり、

花ちゃんが旅の疲れと、湯のぼせで、ぶっ倒れる別府。そして阿蘇では、なごやんの口から

『実は最近、阿蘇山の火口に飛びこんで自殺したかったんだよね、
実際に火口の深さを見てみると、とてもじゃないけど無理だな・・・。』と衝撃の告白があったり。。

いよいよ、花ちゃんの幻覚が始まり出し、難儀していた所に現れた、訳の分からない、クリニック。
何処なのかさえ分からない山中に、デーンと現れた、救世主の様なクリニック、

での花ちゃんの会話や、なごやんの病巣を一喝した医者の威厳ある態度が良かった。
その後も薬を頼りに逃避行を続ける2人。花ちゃんが正気の時に思う、病気への正直な思いが、

何ともいえずリアルで、さりげない分胸に響いた。

『いつまでこの声は聞こえるのだろう。いつまであたしはこの病気と
つき合わなければいけないのだろう。あたしはやっぱりテトロピンを処方してもらった方が

良かったんだろうか。ぐったりするような劇薬を飲まなければならないほど,
いけない病気なんだろうか。』『ねぇなごやん、悲しかね、頭のおかしかちうことは』

ラスト付近のTheピーズのバラードと、逃避行の最後の最後の、
なごやんが叫ぶ一言が堪らなく泣けます。是非、この物語の渦に身を任せてみて下さい!!

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テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

はじめまして

「くそたわけ」とはびっくりするようなタイトルの本ですね。
でも、どこか考えさせるような内容のようで、ちょっと気にかかります。

風竜胆さんへ

初めまして

くそたわけ、は名古屋の友達に聞いたら、愛情を持って人を叱る時に『バカ者!』とか、『ドあほう!』的な意味で使う言葉のようですね。

柔らかく切ない、人の痛みに寄り添って書かれた良い作品で、オススメです!!

機会があったら手にしてみて下さいね。
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花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

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【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

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作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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