スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【沖で待つ】 絲山秋子

沖で待つ (文春文庫)沖で待つ (文春文庫)
(2009/02)
絲山 秋子

商品詳細を見る


【沖で待つ】で芥川賞の受賞が決まった時、著者である絲山さんは
『働く現場をうまく書くための入り口にようやく差し掛かったかな、という感じ』と感想を語ったそうだ。

その言葉を絲山さん関連のサイトで目にした時、『これは読まねば!』と強く感じた。
以前、【海の仙人】【ニート】と続けて読んだ時、

『この作家さんには明確に、書きたい世界が在るのだな。』
読み手の側にヒリヒリと伝わって来る鋭い文章から受けたのを、ハッキリと覚えていたからだ。

それは、現代人の胸の内側、建前の奥に眠る本音、社会の気配の裏表に、耳を澄まし、
目を凝らす、という作家の強い決意表明の様な物、なのだろう。

誠実な姿勢に深く共感したのだ。新聞やテレビは、最新の情報として、ニュースを報道する。
しかし、評論家にせよ、コメンテーターたちにせよ、社会の問題とは言えても、

コメントを述べる自分が、現代人の何処ら辺に立って意見を発表しているか、が感じられないので、
こちらにはイマイチ言葉や声が響かない。

その点で長い間、より身近な現代の現場から届いた響く言葉を探していた。
そこに、この『沖で待つ』が持つ、限りなくリアルに接近して書かれた言葉は、

実に心地良く響いた!!『男女雇用機会均等法』が施行されて数年後、新卒社会人として、
『女性総合職』として働く事になった主人公の及川さんと、同僚の牧原太くん。

赴任先は未知の都市、福岡市。男性社員には、お味噌的な扱いをされ凹み、
地元採用の女性事務員たちにも、『よそ者』に対する溝を感じて…。

それでも、愛されるキャラな牧原くんが『太っちゃん』のアダ名を付けられた頃から、
及川さんも福岡支社の仲間と打ち溶けて行き、特に『太っちゃん』とは親友で戦友な間柄に。

この男女の微妙な距離感や、友情の密度が、
『どちらかが先に死んだら、お互いPCに隠してある筈な秘密を責任持って消そう!』

不思議な約束になって残ります。しかも冒頭、『太っちゃん』は、幽霊として現れます、って、何故!?
果たして、秘密とは何なのか?『沖で待つ』の意味は?仕事を始めたての頃に特有の、

青々とした不安や喜びを共有する仲間意識が、清々しく描かれています!
同時収録の『勤労感謝の日』での赤裸々な女2人飲みでの弾けっぷり。

都知事で、芥川賞選考委員もされてる某氏を徹底的におちょくった、
『みなみのしまのぶんたろう』も、強烈に面白い作品ですので、お得感たっぷりな文庫本として、

大オススメします!

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本+カフェのSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

こんばんは。

久しぶりに、
一連の書評を堪能させていただきました。

作家と読み手との、理想対話。
しかも骨太い関係で、見事ですね。
拍手!

ジョゼさんへ

そう言って頂けると、何よりの励みになりますし、
光栄に思います。

作家さんへの感謝を込めて、真剣に感想をまとめる
ことが、少しでも出来れば、と感じています。

コメント、ありがとうございました!!

Secret

SNS「本カフェ」参加中!

ランキングに参加しています!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイスト志望へ

プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

love_heartgraffiti★yahoo.co.jp ★を@に変えてご連絡下さい。

※あきらかに当ブログと関係のないと思われるコメント・TBや『これはひどいなぁ』と行き過ぎを感じさせるコメント・TBは削除させて頂く場合があります。ご了承下さいませ。

メールお待ちしています☆

名前:
メール:
件名:
本文:

HEARTGRAFFITIのすべて

ご訪問ありがとう!

☆検索☆

ジーナフウガの一冊入魂レビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。