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【ミスター・ミー】 アンドルー・クルミー

ミスター・ミー (海外文学セレクション)ミスター・ミー (海外文学セレクション)
(2008/10)
アンドルー クルミー

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素晴らしい本との出会いは、人生に大きな変革をもたらす。
読む前と読んだ後で目に写る世界が全く違った姿に変化遂げる。

そんな読書体験した事のある人も、決して少なくはないだろう。
この小説はそんな読書に於ける知識や知恵について書かれてある、スケールの大きな本だ。

そもそも。人は何故、知識を追い求めるのだろうか?
【ミスター・ミー】を読むと人類が古来より、手にした知識を現実に活かして行く為、

どれ位日常的な犠牲を払いながら、知恵を磨き続けて来たか、という事が分かる。
それと同時に、所謂知識人たちが如何なる時代に於いても、どれ程世間知らずで、

常識外れな連中であったかも窺い知る事が出来るのだ。
当事者の命を賭した大真面目な振舞いであるからこそ生まれる文学と、

日常の生活は表裏一体で、時に、馬鹿馬鹿しいまでに可笑しな勘違いや悲喜劇が展開される。
アンドルー・クルミーのコミカルとシニカルな描写が絶妙な、匙加減を、味わって頂きたい。

文学を書いている、わたし。それを受け取り読むわたし。様々な意味合い、
形持って交錯する【ミスター・ミー】。読み進める。知らず知らずの内に、浮かび上がってくる物語からの問い掛け。

読んでいるあなた自身も、わたしとは果たして誰か!?を考える事となっていくだろう。
些細な運命の悪戯。物語の始まり。歯車音もなく回り始める。

86才になる、独居老人【ミスター・ミー】。彼は、日中を夥しい量の古今東西の書籍が、
渦高く積み上げられた、書斎で過ごし、時々、学術雑誌に研究論文を発表したりしながら、静かに暮らして来た。

日常の諸事全般を担当しているのは、通いの家政婦ミセス・B。
放っておくと直ぐ、新たな書籍買い込み、ただでさえ埃だらけの家を汚す、雇い主に悪態突きつつ、

何処か憎めない所のある老人の本道楽を見守っている。
さて、そんなある日。毎度の様に貴重な作品の初版本を求めて外出する、ミスター・ミー。

が、外出すると途端に自動車のタイヤパンクという不足の事態が発生
(トランクにあるのが予備タイヤではなく以前にパンクしたタイヤなのが流石!)。

仕方なく、3キロ程徒歩で引き返し、修理工場を見つけた、かと思えば。今度は折悪しくランチタイム。
午後の作業再開を待とうとするも。俄か雨まで降りだす始末!!本道楽な老人は、お定まりの雨宿り先。

古書店に飛び込む以外にない訳で。書棚を物色中に偶然、【火は生命体である】という
奇抜な思想を有していたと言われる、古代ザンディック族の存在を知る事となる。

この部族について、『もっと知りたい!』当然ながら、
書痴老人であるミスター・ミーの知的探求心にも火が着く!!

あれやこれや、執念を燃やし、ザンディック族についての記述にはネタ本として、
ジャン=ベルナール=ロジェなるミスター・ミーにも聞き覚えのない人物が編纂した、

【百科全書】の存在が関与している。そこまでは判明するのだが…。
図書館の蔵書目録を調べ尽くしても、めぼしい情報には行き当たらない。

途方に暮れていた所に、司書のマーガレットから、Web検索をしてみるよう提案される。
世間音痴な上、少しのアナログ知識しか持たない老人に、ネット世界は驚きの連続!!。

瞬時にしてロジェ関連の文書を三万件近くも捜し当てるサーチエンジン。
何しろパソコンについて全く知らないミスター・ミー。PCとは、つまり。

電子化された、何百万、何千万冊を超える書籍が整理して納められた【便利な箱】の呼び名。

今や人々は本を読む変わりに、箱の中から情報を取りだし食べる(ブラウジング)事に
夢中になっている、のだと勘違いしてしまった。

勘違いは更なる混乱を産み落とす。ロジェをキーワードに探索する内に辿り着いたのは、ナント!

全裸の女性がベッドに横たわり本を読んでいるライヴ・チャットのページだった。
彼女が読んでいる本のタイトルは『フェランとミナール』。

ロジェと、件の2人組フェランとミナールの関係や如何に?。
この書物自体には、どのような経緯や存在理由があるのか?。

3章ずつに分かれた、時代も設定も異なる、それぞれの物語が1つに集約される時。

ミスター・ミーに、いや文学や書籍、1字、1句に託された強い思いに、
感動的な結末を読む事となるでしょう!!終章とエピローグ。見事な捻りと宙返り。

綺麗な放物線を描いて着地する最後の1行まで、どうぞ読み逃されませぬ様、お願い致します!!

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

こんにちは。
書評を読ませていただいただけで、
ワクワクしてしまいました。
3つの話が一つになった時…何が起こるんだろう。
それにこの本、装丁もいいですね~^^。

myaanさんへ

コメントありがとうございます!!

この本、今までに読んだ海外作品の中でもダントツに面白くって、しかも様々な角度から読めるような仕掛けがしてあるんで、書評を書くのに、未だ曾てないほど悩み、時間掛け、最終的にはミスター・ミーに絞って書きました。

他の部分にはルソーや、マルセル・プルーストなどの文学についても言及されていて、実際にルソーは作品のキー・パーソンとして登場して来ます。

内容の充実度も、文句ないので、是非とも機会ありましたら手に取られてみて下さいね☆
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福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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