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【天水・上巻】 花輪和一

天水 上   KCデラックス天水 上 KCデラックス
(2003/01)
花輪 和一

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読書をする度に思う。本という物は、出会うタイミングで出会い、
その時々に必要な内容を読む事になっているのではなかろうか、と。

花輪和一さんの事、特にここ数年ずっと、気になっていた。
それ以前にも名前は知っていたが、『なんだか読むのは畏れ多い』的な印象があったのだ。

気になり始めたのは偶然、【映画・刑務所の中】を見てから。
ひたすらシンプルに、淡々と刑務所の中での生活が語られて行く。

余計な物を削ぎ落とした目線の持ち主が花輪さんだという事を知った。
残酷な描写多い、とか難解な作風だ、とかの評判だけ真に受けてたけど。

実際の所どうなのか、自分で読まなきゃ分からないんだろうな、と。ここから数年。
その間も、この天水の事を、よしもとばななさんが日記で絶讚していたり。

確実に呼び声は近づいて来ていた。

なので、今回BOOKOKAの市の中、【天水 花輪和一】の文字を目にした瞬間、
『来た!ついに花輪さんの作品に直接触れる機会が来た、手に取らなくては!!』震えた。

大袈裟だと思われるかもしれないが、正直それ程までに凄い本に出逢えたと感じるのだ。

中世の日本、平安の世を童女棗(なつめ)と河童が力を合わせ生き抜く様を描いた、
上下一対の物語。冒頭で、好物のウリを食べたくて棗の家に転がり込んできた河童。

この世の事はなんでも教えてくれるという河童仙人に会うのが夢。
頭の皿の中には天水と呼ばれる池の様な異空間が広がっていて、

もののけや鬼をやっつける時に、とても役に立つ。

最初は、仙人に会わせてやるからと悪いもののけに騙されたり、
うっかりで人間に捕まえられたり、間が抜けた所もある。けれど。

棗を守っている内に少しずつ仙術使いの頼れる存在に成長して行く。
棗は幼い頃母親と生き別れて、涙の再会を果たした後も、艱難辛苦が母娘を襲う。

子どもを守るため人柱にされそうになる母。
自分を捨てた母への怨みの念を消せず魔物に取り憑かれる棗。

親子関係や、人間の心に生じる、迷いや疑い、
淋しさや悲しみなどがクローズアップされ出してからは、ページを捲る手が止まらなった。

シリアスなだけでなく独特のユーモアも散りばめられている。懲らしめられた魔物が、
観音堂の中で悪さした事を恥じ、照れくさそうに田舎道を去って行く姿。

善と悪を一方的に切り離すのじゃなくて両方バランスよく受け入れる優しさを感じた。
目に見える物の先にある、物、者の気配。花輪さんの描きだす、もののけたち。

全体を通じ最終的には美しく温かい手触りがあった。上巻最後、不思議な山に
分け入ってからの世界は、新たな神話の誕生とも言える内容で下巻へと続きます。

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テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

コメント

>読書をする度に思う。本という物は、出会うタイミングで出会い、
>その時々に必要な内容を読む事になっているのではなかろうか、と。

私もいつもそんな偶然を楽しみに、読書をしています。
先日、「この本が読みたくて買ったのに・・・何故か読み進められない・・・」と言っている友達に、「今のあなたに必要な内容じゃないから心に届かないのでは?」といったら、納得されましたが・・・

人も変化するので、同じ本をある程度の時間を経過してから読んでも、同じ感想じゃないのですよね。面白いですよね!!

doriさんへ

>doriさんへ
今回は長い文章を読んで頂き、本当にありがとうございます。

お友達とのエピソード、興味深く読ませて頂きました。確かに、何時もならスイスイ読めるはずの本が読み進まない時って無意識から何かのサインが出てるのかも知れませんね。再び時期が来ると不意にストンと内容が身体に染み込み出したりするから不思議です。

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福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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