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王国

王国王国
(2011/10/14)
中村 文則

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中村文則『王国』

あの大江健三郎が認めた名作『掏摸〔すり〕』の兄妹編である中篇小説。冒頭から純文学ならではなヒリヒリとした文章表現に惹き付けられる。

『一番欲しいものは手に入らないと気づいたのは、いつの頃だったろう。』此処から何が始まり、何処まで僕を連れて行ってくれるのだろう?ワクワクするじゃないか!

読み進める。作者・中村文則さんが悪の世界へ僕を誘なう。純文学を読むこととは、作者が渾身で造り上げる世界に、読者が全精力を傾け挑む行為だと僕は、そう信じているので、心を騒つかせる比喩表現に出くわすのが至福の喜びだ。

『月の輝きがある。太陽が沈んだ後も、その光を盗み、わたし達のような存在を照らす、月。』

夜に蠢く悪党どもの、密やかな息遣いまで聴こえて来そう。背筋がゾクリとする。大好きな世界観。中でも、怪物じみた悪党・木崎〔前作にも登場〕の吐く言葉の異様なまでの不条理さは、唾棄すべき強烈さの中から、主人公ユリカを揺さぶり続ける様子が、壮絶だった。

『理不尽というものを馬鹿のように憎んだお前が、自分に降りかかった理不尽そのものに対して抵抗したということだ。』

スリリングかつスピーディーな展開の連続に
何度も息を飲みながら、ラストの着地点には
心底驚かされた!傑作ピカレスク小説を御堪能
下さいませ。


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炎上する君

炎上する君炎上する君
(2010/04/29)
西 加奈子

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西加奈子『炎上する君』

西加奈子さんが直木賞を授賞したので、あれこれ読んでみたくなり、タイトルの不可思議さに惹かれて手にした短編集。八つ収録されている小説はどれも、ねっとりと濃厚な描写で構成されており、さながらチーズのごとく、眼球や脳髄に絡み付いて、独特な味わいを漂わせていた。どの作品も正直甲乙つけ難いのだが、個人的に唸った箇所のある物の感想を述べたいと思う。

『太陽の上』
あなたは、3階建てのビルの3階に住んでいる。1階には中華料理屋「太陽」があって、2階では太陽の奧さんが、自身のセックスレス解消の為、何故だか並外れて性欲の強い人間ばかり集まったアルバイトの中から選んだ(このどぎつく断定的な比喩には思わず噴き出した)男の子を相手に四六時中情事に励んでいる。そんな環境下あなたは次第、次第に外の世界との関わりを断ち引き込もっていく。
作者は、もしや引き込もった経験でもあるのじゃないか?それ位のリアルさが滲んでいる。

『炎上する君』

作品集のタイトルだけあって絵も言われぬシュールさを感じさせる文章が続く。2人揃って銭湯大好きな、私と浜中。オッさん臭い彼女らは、セットで【大東亜戦争】と呼ばれる程に個性的な出で立ちをしている。そんな彼女らは、生真面目にバンドを組んでみたりして、生真面目さ故にバンドマン達からさえもハミ出てしまうのだ。しかし挫けない私と浜中は、次に【両足が、燃えさかっている男】の都市伝説に遭遇する為、全精力を傾けるのだが、、、
クライマックス部分からの怒涛の展開は、新たな恋愛小説の始まりの予感さえした!

と、まあ大好きな2作品の内容を紹介したが、
この短編集には他にも、読み応え充分で、想像力に満ち満ちた世界観が拡がっている。是非とも、あなたも触れてみて下さい。きっと感嘆の声を上げたくなる事でしょう!

ホリデー•イン


ホリデー・インホリデー・イン
(2014/05/27)
坂木 司

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坂木司『ホリデー•イン』
元ヤンキーのホスト大和が、ある日突然自分の前に現れた息子•進のために宅急便のお兄さんに転職し、魅力的な人達に囲まれ奮戦する様を描いたホリデー•シリーズ。そこから産まれたスピン•オフ作品。
『ジャスミンの部屋』
大和の保護者代わりで、情に厚いオカマのジャスミン。彼女には歓楽街に落ちている人間を拾っては、自分の部屋に連れて帰り世話を焼く癖があった。
このシリーズの最重要人物はジャスミン姐さんなんじゃないかな?と思える程、彼女は人間の傷みに敏感で温かな人だ。この短編で彼女が拾った冴えない中年男の頑なに凝り固まった心身を美味しい料理と洒脱な会話で解きほぐしていく辺り、流石だなと感じた。
『大東の彼女』
大和の勤めるハチさん便に、大和の後輩として加わった、お気楽な青年•大東くんの脳天気な態度には実は彼なりの理由があって、、、
大東くんの母ちゃんとの絆、こういった一見重くて辛いテーマを作者の坂木司さんは、非常に丁寧に優しく描写してくれるから、心に沁みるし、ジンと胸を撃つのだ。
『雪夜の朝』
自分に会いに来る全ての女性に常に完璧な態度で接客する、トップホストの雪夜。そんな彼は私生活でも王子様としての役割を果たしている。のだが。
これは笑った!ホストクラブの魔法が解ける外の世界での、ホストの実像を暴いてみせる女性客の冷淡さ!!雪夜の様なキャラでも切れるよなー、そうまで言われちゃうと。
『ナナの好きなくちびる』
大和と雪夜の凸凹コンビの大切なお客様、ナナちゃんの自意識を芽生えさせてくれた、
彼女に初めて出来た親友との切ない思い出。
うわぁ、この気持ち分かるなー!自分を初めて必要としてくれる他人が親友にかわるまでの嬉しさ。思春期特有の誤解や躓きも絶対に忘れられない訳で。この話、オチも最高!!』
『前へ、進』
このホリデーシリーズは大和の息子、進くんが、死んだはずの父親と会いに来た所から
始まる訳だが、進くんは果たしてどのような経緯で大和を知ったのか?
しっかり者過ぎてアダ名も、お母さんな進くん。でも、彼の決断した男の子っぽい選択。
思わず応援せずにはいられなくなる。
『ジャスミンの残像』
そもそもジャスミン姐さんは、どんな風に大和を拾ったのか?元ヤンキーのホスト誕生の瞬間を見逃すな!
ヤマトの周囲を瞬く間に味方にする憎めなさ。
これこそ魅力。早く続編が読みたいな!

ブログをリニューアルオープンします。

長らくお待たせ致しました!書評を再び一から取り組み直そうと思います。願わくば、このブログから該当作品を手に取って読んでみたいと思って頂けるような、内容の濃い空間にしていきたいと思います。

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Author:花房雨
藤長聖子です。

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≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

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作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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