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【膝のうえのともだち】 町田康

膝のうえのともだち膝のうえのともだち
(2010/03/26)
町田 康

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タイトルの素晴らしさに惹かれて手に取った本。沢山の猫写真に、
随所に散りばめられた猫随筆、更に贅沢にも書き下ろし猫小説まで盛り込まれた、

猫好きにとって堪らない内容の一冊になっております。登場してくる町田家の猫は合計で十三匹。
それぞれの猫たちが実に猫らしく洗面所で寛いでいたり、セミの脱け殻を玩んだり、

同居人町田さんのレコーディングしている傍らにジーッと寄り添っていたりで、
町田さんの言葉を借りるならば、『そこはやはり猫は猫らしく横着にしていて貰いたいものである。』

通りの有り様である。かと思えば猫は超然としていて、
『自分ら人間のくだらない見栄や煩悩がいかに無意味かということを身を以て教えてくれる。』

と教師の様な役目も果たしてくれるのである。まぁ、なんにしろ猫は偉大だなぁ、
そんな風な思いで猫と暮らして町田さん夫妻の猫写真からは、同じく猫さん達と暮らす者として、

大いに学ばせてもらう所がありました。特にラストとして添えられた言葉
『一緒に生きたことを記憶のなかで美化するのではなく、すべてのことをなまなまと覚えていたいから。』

は、強く胸に響いて来ました。書き下ろし小説の『ココア』この作品からも
猫文学者・町田康さんならではの世界観が感じられます。猫と人間の主従関係の在り方に疑問を呈し尚、

猫と人間に平らかで新たな地平はないかと踏み込んで考える、
そんな作家としての器の大きさと、限りない博愛精神に触れて興奮しました。

是非あなたも体感されてほしい、そんな魅力が詰まったオススメの一冊です!

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【東京飄然】 町田康

東京飄然 (中公文庫)東京飄然 (中公文庫)
(2009/11/24)
町田 康

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タイトルの【東京飄然】と第一行目の『旅に出たくなった。』って言葉から
もう、堪らなく可笑しな世界が展開されるであろう予感が押し寄せて来る。

直接、誰に言われた訳でもないのに、歌手の友部正人の歌の文句にある
『どうして旅に出なかったんだ?坊や』なる部分を、町田氏の耳は

『どうして旅に出なかったんだ?おっさん』と翻訳して煩悶する。
『出なかった?なにをいう。過去形で語るな。俺はまだ旅に出ないと決めたわけではない。

これからだって出ることができる。』おぉ!威勢が良いぞ!!と次を読む、
と先ほどまでの威勢は何処へやら…『ただ問題があるとすれば、旅に出ている間、

仕事はできないわけで、そうすると収入というものがなくなる。
そうすると家賃や水道代が払えなくなってしまうという点である。』

既に思考が分裂気味になっている。徹底的に現実主義的な面を持った夢想家が町田康なのだと思うのだが、
氏が真剣に悩めば悩む程。現実は頓珍漢な方向に動き出す。すこぶる奇妙で笑ってしまう。

最終的に町田氏は、仕事のない午後いっぱい、旅をしてまあ夕方、遅くとも夜には家に帰ってくる。
『つまり激烈に短い旅という寸法である。』方式での旅に出ることを選択する。

(年若の友人からは、“それってでも旅じゃなくて散歩っていうんじゃないですか"、
そう揶揄されつつだが。)出発してからも、ひょ。というところがいかにも飄然旅行でいい。

『ひょ。これが僕の人生の主題だ。』とまで宣う。町田さんでなければ感じ得ないであろう、
旅の風情。だが、しかし足の向くまま、飄然と行き先を決めると

『どこが飄然だ。ぜんぜんだめじゃないか!』臍を曲げるより他ない地へと降り立ったりもするのだ。
笑っちゃいけないが、飄然と旅をゆく、町田氏の思考、言動のパターンがたまらなく可笑しいのだ。

例えば公園の石に刀で斬りつけたような筋があったら、
その石にまつわる仇討ちのエピソードを実に適当に拵えたりしちゃうし。

そうかと思えば、私ひとりで旅に出たのがよろしくなかったのかなと思い、
旅は道連れ世は情けと、前述の年下の友人慶西君を飄然旅行の友として選出するし。

(適当に入った蕎麦屋の般若面のエピソード。思い切り『んなことあるかい!』と突っ込んでくださいね。)
この二人旅は、内田百鬼圓先生と、弟子のヒマラヤ山系氏の阿房列車シリーズを彷彿とさせる旅です。

二人の旅の最後、慶西君が行方を消す辺りにも飄然を感じられて良いです。飄然の旅は続く。
しかも串カツに満足にありつく為への旅だったりする。日曜日の新橋へ。

休日と言うことで、大体の店のシャッターは下りている。そんな中に、
町田氏は『立喰そば ポンヌッフ』なる店名を見つけてしまい、更に悶々としたりするのだ。

結局、新橋にはお目当ての串カツ店は見つからず、銀ぶらの最中ようやく一件の店に辿り着く。
ここでも炸裂する必殺脳内妄想、町田節。腹を抱え笑い続けてしまった。

妄想や執着に踊らされる自らを恥じ、高踏な精神こそを求めて芸術に答えを見出だそうと
上野の街に繰り出して行く町田氏。だが、ここでも飄然者の精神が絵画芸術に潜む欺瞞を暴き出し、

二度、三度、真の飄然者について思いを巡らす事になるのだ。結局、帰宅してから、
遂にとでも言うべきか町田氏に一番馴染みの深い芸術、音楽、それも、ロック音楽に回帰するのである。

さぁ果して東京飄然の旅は高円寺の街でどのように帰結していくのだろうか?
町田康氏にしか描けない風景や想念が独特の日本語のリズムの中に踊ります。貴方も飄然と旅に出ませんか?

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【ハミザベス】 栗田有起

ハミザベスハミザベス
(2003/01/06)
栗田 有起

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久しぶりの図書館にて手に取った栗田有起の作品は彼女のデビュー作だった。
デビュー時から変わらず身の回りに巻き起こる事件とも呼ぶべき変化を

淡々と受け止める様子が良いなと感じた。なので、読んでいて時々
『この世の中の何処かに実際にこういう人達が居て、こういう日常を過ごしているかも知れない』

そう思った。表題作【ハミザベス】主人公は母親と二人暮らしの娘まちる。
ある日彼女の元に『母親梅子からずっと前に死んだと言われて来た父』平田が最近になって亡くなり、

二人に遺産と不動産が遺されていましたとの連絡が入る。
電話で指定された時刻に待ち合わせ場所に現れたのは、花野あかつきと名乗る

『手のモデル』を生業としている三十歳そこそこの女性だった。
亡くなった平田とは五年の間生活を共にし、いってみれば

人生という名の戦場の師匠と弟子とでも呼ぶべき間柄だったと言う。
彼女としては、平田の最後の望み、なんとしてもかなえてあげたいと願っている。

その余りに過剰な情熱に押されてまちるは遺産を受け取ることにする。
それを契機に次第、次第に仲良くなる、まちると、あかつき。ある日の事。

あかつきに預かって欲しいものがあると告げられたまちる。布に包まれた小箱の中身はハムスター。
あかつきがこれから住み暮らす所は研究施設なので、連れてはいけないそうだ。

早速マンションへ連れ帰り『ハミザベス』と命名するまちる。
そこからハミザベスの観察を熱心に行い始めてから、まちる自身も自分の生活環境や

人間関係なども含め真剣に考え始めるのが面白い。
何せ母親梅子の性格や言動が強烈にリアルなので母娘の会話が、ありありと目に浮かぶと言うか…。

デパートの食堂で梅子が鉢合わせた『苺おばさん』とのやり取りは爆笑必至です。
人間の細やかな日々の愛しさを書いた物語を堪能して下さい!!。年の差が七つで、

それぞれ、おたがいの七年前、七年後の姿に見える程にそっくりな【豆姉妹】
つつましく暮らしていた姉妹の日常に変化の時が訪れる。肛門科の看護婦をしていた姉が唐突に

『私、看護婦辞めて、SMの女王様になるよ』と宣言したのだ。
理由は高校生の妹の進学用の資金および結婚資金を貯める為というもの。

そんな姉に感謝しつつも、内心では、SM クラブ『ヴィーナス』
での姉の変化に厳しく突っ込みをいれる妹。(この丸顔に、真っ赤な口紅だってさ。)等々…。

この妹の感覚がとにかく可笑しい。ま、妹は十六歳なので、ありとあらゆる物事に思い悩むのだが、
考え方が十六歳にしては、突出して変わっているのだ。孔子の十五にして学にこころざす、

三十にして立つを例にあ出して、でも私は、彼みたいに、偉くない。
同じ人間どうしじゃないかといえばそうだけど、彼と私は、同等の人間ではない。

私は今、どのあたりにいるのだろう。哲学的だが、とことんシンプルに自分を解釈出来るのが、
実に素晴らしいと思う。そして彼女は悩んだ末に、とある博打的な行動に打って出る。

行動の結果…。物静かでいて、ドラマチックなラストシーンに拍手を送りたい傑作です!!

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花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

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【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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