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【悪人】 吉田修一

悪人悪人
(2007/04/06)
吉田 修一

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初めて読んだ吉田修一作品。物語は、福岡市に済む保険の外交員、石橋佳乃が、出会い系サイトで知り合った、
長崎在住の土木作業員清水祐一に絞殺されて、福岡と佐賀の県境にある

三瀬峠に死体遺棄されてしまった事件を中心に展開して行く。
そこに様々な人間模様が絡まり、読んでいると、改めて人間の心理というのは一筋縄では行かないもんだ、

との思いを強烈に感じた。そもそも殺された佳乃からして、さほど面識もないボンボン大学生増尾に、
一方的な憧れを抱き、周囲に『付き合ってる』と嘘を付いている。

この増尾って奴が、全くどーしよーもないゲス野郎だとも知らずに…。
些細な見栄や嘘は運命を左右し、生命までをも脅かす事になる。事件の晩、

石橋佳乃は清水祐一と会う約束をしていたのにも関わらず、
待ち合わせ場所に偶然居合わせた増尾の車に乗ってサッサと何処かへ走り去ってしまう。

約束を簡単に破られ、小馬鹿にされた形の清水祐一。カッとなった彼も、慌てて2人の車の後を追う。
何かに導かれるように、三瀬峠で発生する殺人。増尾と清水、そして石橋佳乃との間に一体何が起こったのか?

時系列に沿って丹念に事件の輪郭や、事件に関わった全ての人逹の証言が浮き彫りにされていく。
個人的に自分が九州在住なのもあるが、凄い九州の土着的な、

ある意味で閉鎖的な人付き合いが的確に書かれていると思った。
例えば、石橋佳乃の通夜の席、親類縁者が陰でコソこそと佳乃の噂話

(『あの娘は男遊びの酷かったらしかね)をする場面等 は情景が目に浮かぶ位のリアリティーがあった。
後半になり、それまでビクビクと逃亡していた増尾は、事件のキッカケは作ったものの、

殺人には関与していなかった事が分かる。が、このキッカケを読んだ時に無性に増尾という男を、
ぶん殴りたくなった。それ程に、このゲス野郎の中にある虚栄心や悪意は、

どーしよーもない悪人としての性質を持っていると感じた。
反面、真犯人?の清水祐一は、静かな狂気の持ち主とでも言うべきか言動も地味で、正直、

事件の後に出会った光代との逃避行でも、絶えず何かに怯えて、誰かに助けを求めているような性格の持ち主だ。
只、事件の全容が明るみに出た後の、彼の告白からは、人は愛を手にする為には、

どれだけでも優しくなれるし、残忍にもなれるんだなぁ、と切ない気持ちを感じた。
増尾と清水、2人のタイプの異なる悪人の姿や思いに触れ、その周囲に居る人達の事件への述懐を聴き、

様々な悪意が一人の人間を悪人へと落とすのか、それとも悪人はキッカケ次第で、
自ら悪人へと堕ちるのか、どちらなのだろうと、自分なりに真剣に考えた。

人間について深く考えさせられる傑作だと思います。オススメ致します!!

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