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【文芸漫談―笑うブンガク入門】 いとうせいこう

文芸漫談―笑うブンガク入門文芸漫談―笑うブンガク入門
(2005/07)
いとう せいこう渡部 直己

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文芸『対談』ではなくて文芸『漫談』なのである。しかも、いとう氏も奥泉氏も大真面目に演じているのである。
おじさん、おばさん、誰にでもわかる文学理論を目指して。奥泉氏はのっけから唐突にフランスで開催された

『文学村祭り』に参加して、周りにいる日本からの招待作家さん方が物静かに自作を売るのを横目に、
一人だけ何の含羞もなく、ただ賑々しく、自慢のフルート演奏を披露しつつも、

販売しているのは、自作ベスト2の暗い作品だという…。天然なボケを遺憾なく発揮してくれている。
相方であるいとうせいこう氏も天性のツッコミ型なキャラクターを持つ人なので、

やはりこれは立派な『漫談』だと言うのが相応しいのであろう。
勿論、テーマの半分は文芸についてであるから、どんな風にして2人が処女作を書き上げ作家になって

行ったかも書かれている。そして、奥泉氏が述べるのが、
『作家は最初の小説を書く前に、すでに作家だと言ってもいいんじゃないか。』というか

「まず作家になる」必要がある、という点。これには物凄い説得力を感じた。
更に、一行目よりも、(自分自身の言葉で書かなくてはならない)二行目の大切さ、

第二作目は二行目の如く重要なり、という考え方からは、作家の真実の姿と、
作家はどの様にして作家であり続けられるまでになるのかが分かり、大いに参考になった。

面白いなと感じた点は、まだまだあって『小説はなぜ終わらなければいけないか』問題で、
いとう氏が大真面目に提案する『なんにも解決しないで終わるミステリー』と言うのは、

凄く斬新なやり口だなと、ついつい笑いながらも納得してしまった。加えて両氏の言う通り、
作品が完成するというのは、奇跡のようなものなのかも知れないと考えた。

作品を書く上で、プロットはあんまり信用しない、という奥泉氏。
あくまでそれは、「とりあえず」であって「つくりながら小説を動かしていく」

場合のほうが圧倒的に多いそうである。(作品を)「読む作業」、「直す作業」、
最後に「先を書いて行く作業」この三つを並行して行うのが、「小説を書く」作業の内容であるという。

それに捕捉して『読むことの延長であるかのように書くとか、書くことの延長であるかのように読む、
それが作家の生活だ、と。』うむむ深いなぁ…。両氏の阿吽の呼吸に寄って放たれる『言葉、言語感覚』の豊かさ、

鋭さには何度となく唸らされた。例えば『「言葉は自分のなかから出てくる」わけではない。
「物財」として世界に散らばっている言葉をたえず寄せあつめる、それが小説を書くことの基本だ』。

例えば『すでにある物語やスタイルのなかで言葉を集めて組織する、その仕方に個性がある』等々。
話題は其処だけに留まらず、『小説的グルーブ』を得る為にはどうすれば良いか?や、

『近代小説でもなんでも、なるべく笑おう』と言う提案で、
「ユーモアはひとつの精神態度であるわけだから、読む側の心理・精神の作用次第で、

どんな作品にもユーモラスに関係することが可能なはずなんですよ。」
との希望的展開を導き出す辺りに非常に密度の濃い、ライヴ感覚を追体験した気になった。

ともかく、文学の型やコードを越えた地平から話が進められていく『漫談』は一読の価値有りです!。
大オススメ致します。

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【昨日みたバスに乗って】 小林紀晴 ~WhO am I?『私』とは誰のことなのかを巡る問題~

昨日みたバスに乗って昨日みたバスに乗って
(2009/11/06)
小林 紀晴

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アジアを旅する日本の若者たちの姿を写真と文章で描いてみせた、名作ルポルタージュ、
【ASIAN JAPANESE】で、世界と日本人の距離の様な物を否応なしに読み手に提示して来た作家、

小林紀晴さんの小説集ということで、若干の緊張と、多くの好奇心とで手に取った一冊。
四つの作品が収録されている。9・11後のニューヨークに滞在する筆者と思しき主人公コバヤシ。

作者の他の作品同様、この場所でも異邦人である自分が果して何者なのか探しあぐねている。
そんな彼が足繁く通うのは、異邦人ばかりが集まり夜通し続くパーティー。そこで『料理の鉄人』

よろしく彩り豊かな各種料理を振る舞う。グリーンの日はタイのグリーンカレーを、
オレンジの日にはインドのチキンカレーを作った。 そして…。遂にレッドの日、

【トムヤムクン】がメニューに上がる日がやって来た。彩りの法則に隠された真実、
及びグランドセントラル駅でコバヤシが体感した事実に、圧倒的なリアリティーを覚えた。

と、同時に『頭のなかで英語を日本語に、日本語を英語に色を染め直すように変換しながら聞き、
口にしながら、僕らはいま正しく会話しているのだろうか。』と心の中で呟くコバヤシに、

自分と他人との関係を見詰める異邦人ならではな厳しさを感じた。表題作【昨日みたバスに乗って】も、
やはり異邦人であるコバヤシが異文化交流を通じて、何とか他者とコミュニケーションを取ろうとする奮闘記である。

彼が慕ってい写真家、サクジさんがやはり、9・11後の世界に今飛び立つ事は出来ないと、
メキシコでのアートスクールでのワークショップの講師の代役を半ば強引にコバヤシに押し付けて来た事で、

コバヤシ自身も写真と、他者との関係性を考えさせられる様になる。
教室での一応の、日本語通訳花ちゃんの日本語能力の実力不足さ加減と、サクジさんの実の息子、

キセイ・ヤマサキとして下手な外国語を駆使してでも、
なんとかして授業を成立させないとならない困った事情が重なり、

その分、写真が持つ意味や言葉を越えた部分でのコミュニケーションの大切が浮き彫りになってくる所が良い。
ハプニングだらけのワークショップ最終日、それでも作品を完成させ、

名も無き作品の繋がりに流れと名前が出来て行く様に一種、皮膚的レベルでの感動を覚えた。
遥々インドまで記憶の喉仏に引っ掛かったままの小骨を、忘れることの出来ない過去を、拾いに旅に出た著者。

ある一時期、自分の合わせ鏡の様に、行動や考えを伴にしていた唯一無二の友だったはずなのに
『自殺』という最悪の形で、 この世から消えてしまった『蓮』。

彼の足跡を辿るべくインド各地を旅する筆者。予想外の旅の道連れが出来たり、
まさかの運命的な再会を果たした男が旅行ガイドだったり…。旅は二転三転しながら

ガンジス河の流れの様に悠然と命を運び続けて行く【ガンジスに問う】そして最後に故郷長野で育った日々よりも、
地元を離れて旅人の様に世界各地で暮らして来た歳月の方が長くなった事を、

父の葬儀後、ニューヨークで現像した父の写真から実感する事になる【海までの道順】全ての作品に
『日本人という名の異邦人である自分は、国籍や民族を越えた所では一体、どのような人間なのか?

を問い続ける姿勢があって素晴らしいと思った。安易な『自分探し』では落ち着かない点も、
この本の価値を高めていると思いました。オススメです!

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ぴんくいろのしんじゅ

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【貧しき人びと】 ドストエフスキー ~魔法の呪文『あなただけが頼りなんです』~

貧しき人びと (新潮文庫)貧しき人びと (新潮文庫)
(1969/06)
ドストエフスキー

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いつか読んでみたいと思っていた、遠い憧れだったドストエフスキー作品が、
亀山郁夫氏の新訳を得て、売上げ累計百万部を突破したと聞くに及んで、

これはもう読むべき時期が来たとしか思えなくなった!それで、まずは最初に何を読もうか?と思い、
色々と、ドストエフスキーに関する資料を読み、入門書に相応しそうな一冊を探した所、

作家の処女作である『貧しき人々』を推す方々が多かった為、俄然興味を持った次第である。
最下級の官吏であるマカール・ジェーヴシキンと隣家に住む

ワーレンカことワルワーラ・ドブロショーロワとの間でやり取りされる
54通もの手紙のみで成立している作品なのだが、冒頭のマカールの手紙からして物凄い!!。

愛するワーレンカに贈る、花やお菓子を買う費用を捻出する為、マカール自身は、
安アパートのどんなに酷い部屋より悪い環境にある、台所の片隅を仕切った

一角を居住スペースに当てているのだから。その驚愕の事実を、
最大限相手に気取られない様に工夫を凝らした手紙を書くマカールと、彼の窮状を慮りながらも、

自分の置かれている運命の悲惨さもあって、
ついついマカールに援助を求める様な内容を手紙に綴るより他に為す術を知らないワーレンカ。

ある意味で、究極の古典的なラブ・コメディ、愛の喜劇の王道の様相を呈しながら、
それで尚且つ読者の心を捉えて離さないから、いやはや、凄い物語だ。人間の一喜一憂する様を、

ここまではっきりと描写してみせる巧さ、百年以上の時を経て支持されているのが判る。
十七歳の頃に役所勤務を始め、以来、約三十年の長きに渡り、書類の清書係としての業務内容に、

黙々と従事してきた、九等官吏のマカール。良く言えば実直、悪く言えば愚鈍な人物の為、
結果的に、貧乏くじを引き当ててしまう男だ。対してワーレンカは、この地に辿り着く迄に、

父母を相次いで喪い、天涯孤独の身の上であるから生き延びる為に必要不可欠な処世術を、
自然と覚えて行くより他になかったのであろう、思いの外したたかで逞しいのだ。

あぁ、恋は盲目とはいうけども男女問わず『あなただけが頼りなんです』って言葉は、
どうしてこうも魔法の呪文と化すのだろうか?このマカールも然り。自分の燕尾服を売り払って、

シャツ一枚で往来を歩くことになっても、決してきみには不自由をさせません。
と、極貧な自分を相手に同情されているとはこれっぽっちも考えずに、

手紙ではもし自分が詩人として成功したなら…と絶対に叶うはずも無いような大見得を切り、
文学少女でもあるワーレンカに心底落胆をさせてしまう有り様なのだから。彼女が囲われた籠の中から、

マカールの一方的で偏愛的な保護の鎖から解き放たれようと思い始めるのは
当然の成り行きと言っても過言ではないだろう。しかし現実は、貧乏の連鎖は、

すんなり2人の関係を精算させたりはしてくれない。かなり長期に渡り、事態は悪い方へ、
悪い方へと転がり続けていき、2人とも虫の息となった時に、運命の神様は、

予想の範囲を遥かに越えた展開を用意していたのである。
さぁ、マカールとワーレンカは如何なる結末を迎えるのだろうか?

最後の頁を読み終えた時は、身震いがしました!ドストエフスキー恐るべしです!!

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【きつねのはなし】 森見登美彦 ~狐火に誘われ、あやかしの世界へ~

きつねのはなし (新潮文庫)きつねのはなし (新潮文庫)
(2009/06/27)
森見 登美彦

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やはり、この作家只者でなかったか…。彼がデビュー作【太陽の塔】で描いてみせた過剰な迄の馬鹿馬鹿しさ、
青春期特有の青臭さ、妄想が暴走に転じた後、見事な幻想=ファンタジーに結実する様、

そのどれもに魅了されしてやられた者としては、氏の書くユーモア系以外の作品も、
是非読んでみたいと思っていた。その様な折りに、日頃から親しくして下さっている読書ブロガーの方々が、

連鎖的に本作品を読み、口々に面白かったと書評に綴られているのを拝読し、
手に取ったという次第である。いやはや参った。怪談とも幻想文学とも取れる幽けき世界が展開されているのだが、

巧みな筆捌きに導かれるまま物語の奥へ奥へと踏み込んで行き、気付くと、
何処ともつかぬ場所へ放り捨てられている自分が居たのである。

得体の知れない感覚が全身を襲い皮膚が粟立った!!じわりじわり、
後から後から『あそこの部分は何だったのだろうか?』思い返すに付け、

怖くなり嫌な冷や汗が出て来るのだ。こんなけったいな読書体験はまったく持って初めてだったから混乱した。
タイトルの通り、狐につままれたのだろうか?収められているのは中編小説が四つ。

表題作。古物商・芳蓮堂でアルバイトを始めた私(男性)が、
つい割ってしまった皿の代わりになるような品物を見繕って貰う為に、

天城という男の邸宅を訪れるようになった事が発端で、私の周囲の人々の運命の歯車が
ギシギシ音を立てて狂っていく様子が描かれている。幽談の常で、私は店主ナツメから

『天城さんが冗談であなたに何か要求するかもしれませんが、決して言うことを聞いてはいけません。
どんな些細なものでも決して渡す約束をしないで下さい。あの人は少し変わった人なのです』

強く言い渡されるのだが、天城の要求、いや、欲しがった物が単なる電気ヒーターであったのに油断してしまい、
簡単に渡してしまう。それは些末な行為だったはすである。だが、しかし。

怪人天城は次から次へ人の内部に潜む大切な何かを手繰り寄せては我が物にしてしまうのだ…。
確実に、悪意が作用しているとしか思えない点に、怖さが隠れているような気がした。

大学という所には伝説を持って語られる謎の先輩が存在するものだ。博覧強記、一度喋り出すと、
水の流れるがごとく滔々と止むことを知らない。大学生活に早々と飽きていた私は、

先輩が放つ妖気の如きオーラに惹かれ、学生生活そっちのけで彼との交遊に熱中する。
京都の夜の闇を利用した骨董品の受け渡しに助手として同行した話しや、

数台の幻灯機を様々な角度に配置し、雷獣の幻影を浮かばせた時の話し、
長い間行方不明だった兄が、再会した時、大道芸人になっていた話し等々、

先輩の話しは何れも京都の街の幽玄さをも兼ね備えている。だが実は彼の話し全ては、
悲しい秘密から生まれ落ちた物だったのだ。【果実の中の龍】秘密が持つ切なさが、

この話しの魅力を引き立てていると思う。四編中で最も不可思議極まりないのが【魔】。
家庭教師を始めた京大生の私が、気付かぬ内に、次第次第に京都の闇に巣食う【魔】に魅入られて、

と言う話しなのだが、読み返してみると頁の隅々から、
行間の余白から怪しい香りが立ち上っているのが分かり恐怖感が襲って来るのだ…。

そして、最後に収録されている【水神】知らず知らずの内に代々の当主が、
水に魅入られる樋口家最後の当主が死亡した。その通夜の晩、親族一同が会した折りに、

何処からともなく摩訶不思議な水が発生して…。皮膚から全身へと、得体の知れない恐怖が、
文字から姿を変え、そっと近づいてくるような作品集です。是非とも実際に読んで、確かめられて下さいませ。

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【ゴールデンスランバー】 伊坂幸太郎 ~手に汗握る展開とは、まさにこんな作品にこそ相応しい!~

ゴールデンスランバーゴールデンスランバー
(2007/11/29)
伊坂 幸太郎

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存分に堪能致しました。全く脱帽です!この作品を読むに際し
伊坂作品の大ファンである知り合いのブロガーさんに、

自分なりに読みたい伊坂作品のタイプを考え伝えてみました。
第1.パンクやロックに対する熱い想いを持っている登場人物が出てくる
第2.重くても構わないのですが、なるたけ偏執的な後味の悪い事件が起こらない内容。

(それでも最後まで読ませる伊坂さんの力量は凄いですが、なんとなく現在は遠慮がちです)
第3.カタルシスを得られる。3つに共通する、『カラリ!』とした世界が描かれている作品を教えて下さいませ、と。

それならばコレです!そう即答頂いたのが本作品でした。単行本で500ページを越す大作は5部構成。
と、これがまぁ、面白いの何の!!小説の展開する余りにドラマチックな筋書きにヤられ、読み終わるのが、

結末を知るのが惜しく、それはもう、少しずつ、少しずつ、時間を掛けて読み進めて行きました。
舞台は仙台。地元出身金田総理の就任&凱旋パレードに沸く市街。大学時代の親友・森田森吾から、

数年振りの、勿論、社会人としては初の呼び出しを受けた主人公、青柳雅春。
以前と変わらず適当なファストフード店に入り駄弁るものの、森田は中々呼び出した理由を話題に上げない…。

そして移動した車の中でやっと、森田は『たぶん首相はパレード中に暗殺される。
おまえ、逃げろ。オズワルド(ケネディ大統領暗殺犯)にされるぞ』衝撃的な予言を口にする。

その言葉通り、首相は何者かによって殺され、暗殺犯の濡れ衣を着せられた、
青柳雅春の命懸けの逃走劇が始まる訳です。事件に絡めて、青柳雅春が過去や現在、

付き合いのあった人や、ちょっとした事で知り合いになった人が登場してくるんですが、
『森の声』が聞こえると言っては預言者めいた発言をする、親友森田森吾を初め、

青柳雅春の味方として登場して来る人物達は皆、とても魅力的です。中でも格好良かったのが、
物事の判断基準を『ロックかどうか?』に置いている職場の先輩の存在です。

青柳の最大の武器である『習慣と信頼』が、最も効果を発揮した人物だったように思います。
更に、別格に印象的な登場をしたのが、青柳雅春の父親です。かなり極端な人で、痴漢を見つける度、

相手に馬乗りになってボコボコに殴り付けたりするし、息子の書き初めにも無理やり
『痴漢は死ね』と書かせたりする程の正義漢です。そんな父親は徹頭徹尾、雅春を信頼し

『こっちはどうにかするから。雅春、ちゃっちゃと逃げろ』と息子の逃走を応援します。
この時、父として、自分の人生全てを賭けて、マスコミや、その向こうにいる、

世間という名の圧力と闘い抜いた青柳雅春の父親には、泣かされました。
仮に、自分の親族及び、周辺の人間が、何らかの大きな事件の犯人と断定された時

『いや、あいつはしていないよ、そんな事』と言えるかどうかを考えました。
そんな風に、自分と世間との関係を、真剣に考えた事がなかったので、

貴重な読書体験をさせてもらったと思っています。それにしても、
様々に張り巡らされた伏線が、実に意外な形で回収されていく物語の巧さ、

面白さは圧巻でした!!小説が最高潮に達した時の、スリリングさ、爽快極まりない感じに、
極上のカタルシスを得る事が出来ました。後半の為に前半部分が書かれているので、


一粒で二度美味しい!そんな読み方も楽しめます。ラスト1ページの震えと、
至福の読書時間をあなたにも。爽快な読後感の得られる小説が読みたい方にお薦め致します。

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プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

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