スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2009年度に読んだオススメ本ベスト3!

∞∞《 2009年度・ベスト3 》∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
  
  【 1 】お縫い子テルミー 栗田有起

流しの『お縫い子』を始めたテルミーの、恋に仕事に生きる日々が描かれた物語。
大都会ならではな、孤独と、優しさを丁寧に折り重ねていく、
主人公テルミーの人物造詣が秀逸です。併録の【ABARE・DAICO】は、
ここ数年で読んだ少年が主人公の作品の中で、ダントツに面白かった作品。
栗田有起さんを未読の方にオススメです!
     
  【 2 】つむじ風食堂の夜 吉田篤弘     

今年度最大の収穫は、吉田篤弘さん、及び、吉田さんが夫婦でなさっている本造りユニット
【クラフト・エヴィング】の存在を知ることが出来た点に尽きるだろう!!
作品の舞台である月舟町に出向いて、交わされる会話を、
言葉まるごと、拾い上げたい位に感じます…。日常こそ愛おしい。

  【 3 】ねにもつタイプ  岸本佐知子
     
既存の【エッセイ】の枠組みを軽々吹き飛ばす、驚異のスーパー・エッセイ。
毎日の暮らし、日々のあれこれ。岸本さんの日常には、
実にさりげなく妄想が差し込まれている。抱腹絶倒、間違いなしです!
是非とも体験されて下さいませ!!

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。
スポンサーサイト

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【一瞬の風になれ 第三部】 佐藤多佳子 ~風を集めてランナーは光の中へ~

一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)
(2009/07/15)
佐藤 多佳子

商品詳細を見る


いよいよ最終巻。物語もクライマックスへと加速して行く。
新二と連、互いに走る理由を確かめ合う場面が良い。『永遠のかけっこ』を楽しむために、

勝負を楽しむために、練習嫌いの天才、一ノ瀬連の胸のエンジンに火が点く。
親友だからこそ成り立つ、認め合い、競い合うライバル関係。タイトルの通りに、

2人の間に吹き始めた風が、とても清々しくて、読むのが心地良い。
それにしても、春高の陸上部って、素敵な場所で在り続けていて最高だと思う。

強さや速さばかり追い続けるのでなく、チーム一丸を何時も心掛けているからこそ、
こんなにも感情移入して読めるんだろうな。チーム力の向上によって、

リレーでの全国大会出場をも狙える迄になった春高にも、大物新人が入部してくる。
だが、この新入生鍵山義人は天才一ノ瀬連に憧れ、速さだけを追求し、

周りとの協調性を重視しない問題児だった。そんな鍵山に粘り強く接する、新二の部長としての責任感に、
陸上部での3年間で学び、吸収したものの大きさを感じて、改めて、

陸上素人だった新二の過ごした部活での歳月の尊さを感じた。
1年の時には、まともな競争相手とも思って貰えなかった、ライバル校、鷲谷高の仙波や高梨。

それが、2年になり少しずつ、3年になって確実に、
ライバルとして自然に認められる迄に変貌を遂げた新二の走り。

良い走りが出来た時、風や光を感じるという描写に、
スプリンターの身体が味わっている世界を疑似体験した様な感覚を覚えた。

前の年は県の決勝に残れたってだけで舞い上がってしまい、
結局は決勝の生み出す独特の圧力に押し潰されていた新二が、再び大舞台に上がるのを目標に、

緊張をも力に変えて行く姿には『いけ、いけーっ!』と檄を飛ばしたくなった。
天才ランナー連と努力家アスリートの新二の勝負の先には果してどんなゴールが待ち受けているのか?

そして、最高のチーム春高の4人が繋ぎ続けるバトンは、どんな風なリレーを繰り広げてくれるのか!?
ハラハラドキドキ、最後まで、手に汗握る展開の連続の青春小説。オススメします!!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【一瞬の風になれ 第二部】 佐藤多佳子 ~成長と苦悩の間で~

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)
(2009/07/15)
佐藤 多佳子

商品詳細を見る


春が来た。冬場のトレーニングの期間を乗り越えて、またシーズンが始まる。
新二と連は2年生になり、当たり前だけど、先輩になり、後輩が出来た。

ますます良いチームになっていく春高の陸上部。そんな矢先、リレーで無理をした連が筋肉を傷めてしまう…。
いつも、どちらかと言えば、ちゃらんぽらんの連なのに、

何故か、周囲が怪我の治り具合を気にしようとも、
医者や顧問のみっちゃん先生が無理をするなと口を酸っぱくして忠告しても、聞く耳を持たず、

ムキになって練習を止めない。1つのレースごとに、バトンを繋ぐ仲間との絆が強まる。
一匹狼タイプだった連にも、変化が起きてるのが、何だか良いなと思った。

大会が終わり、長い間、新二や連を引っ張ってくれていた最上級生が引退する。
その時、部員全員で大泣きする春高陸上部に羨ましい気持ちを感じて、こちらも貰い泣きしそうになった。

先輩から部長を任される時に、新二が掛けられた言葉にも、こうグッと、胸に迫るものがあり、
感情移入しまくりだった。陸上競技の持つダイナミックな部分、

競技者のメンタル面が結果を左右する部分等の描写が、合わさって魅力的に書かれているので、
1年、2年と、新二達の成長を見守りながら読み進める内に、陸上が好きになり、

春高陸上部の私設応援団になった様な気までして来る。この巻では、新二の心身両面での成長や、
アスリートとしての苦悩に、スポットが当てられていて、実に読み応えがあった。

次は、いよいよ3年生。物語も、いよいよ佳境に向かう。
果たして、どんなクライマックスが待ち受けているのか?物凄く楽しみだ。

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【一瞬の風になれ 第一部】 佐藤多佳子 ~天才と未完の大器~

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)
(2009/07/15)
佐藤 多佳子

商品詳細を見る


主人公である神谷新二は天才的なサッカー・プレーヤーである兄の健一に猛烈なコンプレックスがある。
だってとっくの昔に、自分は天才じゃないと、能力に限界が見えていたんだから。

それだけでも色々凹むのに、ガキの頃からのダチの一ノ瀬連は中二の時に、
陸上全国大会に出場経験のあるスプリンターだ。なのに、あっさり部活を辞めて、

現在はフラフラしている。あぁ、この出口のないやるせなさ分かるなぁ、
同じくスポーツ挫折経験者として、大いに新二に感情移入したのだった。そんな新二が、

サッカーを辞めて、自分の意志で受験した公立高校に、
同じく連も入学してたのは運命と言って良いだろう。体育の50メートル走で、連の走りも又、

兄と同じ天から貰った才能なんだ!と気付かされ勢いで
「自分も入るから、連も一緒に陸上やれよ、走れよ、走らなきゃ嘘だろ?」

的な言葉を口走ってしまう場面も、思い切り、うんうん、そうそう、と頷いた。
熱さも青臭さも含めて、作者の佐藤多佳子さんの書く高校生像の普遍性はとにかく凄い。

グングンと面白さがスピードを上げて行くので、実況放送を聴いているような臨場感が味わえる。
陸上素人の主人公・新二だから、陸上についてアレコレ覚えなきゃならない点も多くて、

リレー練習でのバトンパスの場面なんかは、『陸上って面白そう!』新二同様にドキドキ・ワクワクしたし。
後、部活には付き物の先輩後輩関係も1人、1人の個性が上手く描き分けられていて読んでて楽しい。

中でも、やたら占いやジンクスを気にする、通称『占いバカ』浦木先輩の存在には笑わせて貰った。
居たよなぁ、こんなトンチンカンなのに憎めない先輩…。物語は進み、

新二にとっては初めての試合の季節がやってくる。あくまでチームプレーを心掛ける、
生真面目な新二と、あくまでもマイペース極まりなく時には平気で

生意気な発言をしたりする天才肌の連との性格の違いが、
良い意味で今後のライバル関係へと発展して行きそうな気配。なんだけど、

そう簡単には行かないのが天才肌の特徴。やる気あるやら、ないのやら…。
果たして、今後の展開や如何に?

切れの良いリズムで、サクサクと読める抜群に面白い、小説は2部へ続きます。

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【それからはスープのことばかり考えて暮らした】 吉田篤弘 ~人生という名のスープ~

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
(2009/09)
吉田 篤弘

商品詳細を見る


食べ物の描写が真に迫っている作品に、駄作は少ないように思う。
何しろ「衣・食・住」という位なもんで、「食」は人の暮らしの真ん中に位置しているんだから。

その点、吉田さんの作品に出てくる料理の美味しそうなことと言ったら!
温かい湯気や匂いまで、伝わって来そうにリアルだし、

美味しい物を食べる時の幸せの実感がページから漂って来るのだ。
この幸せの実感が作品全体に行き届いているのは、吉田さんが丁寧に、丁寧に、それこそ、

スープの灰汁を掬う要領で、日々の暮らしから濁りを取り除ける腕の持ち主だからじゃないだろうかと思う。
物語の登場人物達が、皆、澄んだ心と明るく優しい精神の持ち主で、

人生を大いに楽しみながら毎日を過ごしているので、読んでいると、気持ちがスッキリ浄化されていくのだ。
大好きな映画館に「通いたいから」と言う訳で、わざわざ映画館のある月舟町の隣の町、

「桜川」に住み始めた、主人公のオーリィくんこと大里青年からして、なんとも悠然としているというか、
飄々としているというか…。読んでるこちらの胸にも、「ほっこり」とした時間が流れ始めるのだ。

オーリィくんの周囲の人たちの人物造詣が、これまた抜群に良い。
オーリィの名着け親、大屋さんという名前の大家さんは素敵なマダムだ。

彼女が発した「なかなか美味しいわよ」の一言がきっかけになって、物語の舞台となるサンドイッチ店、
「3」(トロワと読む、店名の由来は是非とも読んで確認されたい。

きっとアナタは微笑むだろう。)の描写が始まるのも粋な演出だ。
だって、このサンドイッチ、オーリィくんの人生観をも変える力のある逸品だったのだから!

人生観が変わる味って、一体どれ程の美味しさなんだろう?
自由に想像する面白さも、この本を魅力的にしている要素の1つだと思う。

話を戻して。世にも美味しいサンドイッチを作るトロワの店主が、不器用極まりない職人さんで、
常に、妥協のない仕事を己に課している点や、彼の唯一人の家族である息子が一見、

父親にはクールな素振りを見せている反面、誰よりも父親の不器用さを
心配している点にも好印象を持った。良い人間が良い味を醸し出すから、

この本に綴られる様々な人生には、幅と奥行きがあるのだろう。オーリィくんが足繁く通う、
<月舟シネマ>のポップコーン売り青年の孤軍奮闘振りしかり、緑色の帽子をかぶった謎の老婦人しかり。

さて、肝腎要のスープについてだが、読んでいて、一手間加える、と言うのは、
人が手間暇加えるという事なのだと、しみじみ思った。料理の最後の隠し味が真心だと、

結構頻繁に耳にするけれども、実際の所、その通りなようだ。それにしても、スープ美味しそうだなぁ…!!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【生きる歓び】 保坂和志 ~明日からも生きていこう、そう静かに思えてくる小説~

生きる歓び (中公文庫)生きる歓び (中公文庫)
(2009/05)
保坂 和志

商品詳細を見る


飼っていた牡猫を五歳半で亡くしてしまった。
まだ若いしこれからもずっと元気で仲良く暮らしてくれるものだ、とばかり信じていた甘い考えは、

目の前で息を引き取って逝こうとしている愛猫に何も出来なかったことで、あっさり打ち崩された。
ペットロスの悲しみは想像以上に深く重く、毎朝起きると、姿を探してしまい、

とても現実として受け止められはしなかった。保坂さんの小説に出会ったのは丁度そんな時で、
ページを捲るに連れて、痛みが和らぎ、何か温かく、慈愛に溢れたエネルギーに、

全身が包まれて行くのを感じた。読書を通じ、自分という存在をまるごと救われるという、
貴重な体験をさせて貰ったと、身体の芯から感謝している。

これ程までに、胸の奥に響くのも、保坂和志と言う作家が、日々を暮らし生きる中で巻き起こる出来事や、
それに付随して浮かび上がってくる物思いを、決しておろそかにせず、1つ、1つ、

丁寧に受け止め、考える人だからであると思う。彼女のお母さんのお墓参りに行く途中に見つけた、
道の真ん中にうずくまって熟睡している子猫。母猫を探すも見つからない、ばかりか、

子猫の頭上では、カラスが桜の枝に一羽、自分の「餌」と位置づけたらしい子猫を食べるために、
人間がいなくなるのを待っているという有り様で。おまけに、前日の雨のせいなのか、

子猫は風邪引きで、鼻がぐじゅぐじゅ、エサを嗅ぎ分けて食べる事さえ叶わない。
医者に行かず、放っておくと、確実に死んでしまうだろう。

俊巡の末、「お墓参りで出会ったのも何かの縁」だからと、連れて帰り、早速、
獣医師の診療を受けに行く。診断の結果、ウィルス性の風邪を引いているのに加えて、

「全盲」の可能性もあると言う。そんな、ある意味では相当に厄介な面のある
子猫の世話をする場面に於いても、保坂さんは『大げさに聞こえるとは思うが、

自分のことを何もせずに誰かのことだけをするというのは、実は一番充実する。
相手のためにずっといろいろな面倒をみる』と、ごく自然に発言する。

こうも確信に満ちた態度で、相手に惜しみなく愛を注ぐ。なかなか簡単には実行出来そうにないと思う。
更に、保坂さんは、強い意志を持ち、この目も開かない、匂いを嗅ぎ分ける能力もない子猫と慎重に、

慎重に相対していく。献身的な介護によって、少しずつ、少しずつ、
生命力を取り戻しす子猫。最初は全然食べ物にも反応しなかったのに、抗生物質を飲ませて、

結膜炎用点眼薬を射す内に、見違えるくらいの元気さで生きよう、生きようと、し始める。
生きている、生きられていることへの歓びを全身で発散している「花ちゃん」と名付けられた子猫。

その様子を見続けて、感動の余り、この小説に、感動したそのことをそのまま書こうと思った保坂さん。
生きる歓びについての考え方に、静かに深く感動したのでした。

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【鴨川ホルモー】 万城目学 ~拍手喝采雨霰、あぁ青春よ、ホルモーよ!~

鴨川ホルモー (角川文庫)鴨川ホルモー (角川文庫)
(2009/02/25)
万城目 学

商品詳細を見る


兎にも角にも、楽しい読書時間を過ごせた!
まずは、落語か講談のような日本の話芸からの流れを汲むとおぼしき会話体の文章が良い。

全体のリズムが和風なので、無理せずともスイスイ読み進められる。つまり、それだけ面白いのだ。
はじめにと題された冒頭部分を読めば、語り手である主人公の安部に果して何が?

ホルモーとは、それほど迄にドラマ性を湛えた某かなのか、と知りたくなる。
これは極、自然な成り行き、天の為せる業とでも呼べるものであろうか、

読み手をグイグイと異世界に誘い込むだけの物語力があるのだ。
鼻の形フェチな主人公安部が、秘かに熱烈な、さだまさし信者だってのも、

好感が持てる青春の自爆装置じゃぁないか。次に登場人物の造詣が秀逸である。
安部の親友である高村くんは何故だか近藤勇のTシャツを着てるし、

大木凡人そっくりな楠木さんは超が付く位の無口で、
たまに口を開けば毒舌極まりない辛辣な女性な訳だし。

学生物の出来、不出来を左右すると言っても過言ではないのが、

主役に勝るとも劣らない存在感を発揮する狂言回し達を如何に魅力的に描けるか、
である様に考えるのだが、その点でも、「こんなにブッ飛んだ学生たちは居ないだろ…!?

いや待て、自意識過剰の結果、出鱈目な風になる破天荒を、
地で行く奴が現れるのが学生時代だったっけか…、ふっ。」(表紙イラストのちょん髷青年を参照のこと)

ニヒルに笑い飛ばしたくなる程、作中の人物、1人、1人に心当たりを見出だせるから、
感情移入しまくりで、彼らの青春を全力応援したくなる。

ホルモーについては、神秘的な競技であるとしか言いたくない。ネタバレは極力したくないのだ。
実際に、この興奮は、読んで確かめて欲しい。大丈夫。人知を越えたものの存在を語る時にも、

『全国に八百万おわすとされる神の一人くらいが、てるてる坊主を見つけて、
少しだけ明日の天気をいじっちゃおうかな、と思い立つ』的に、重苦しさもなければ、

軽々しく扱う訳でもない、そんな匙加減が小気味良いから。陰陽道や安部晴明、と言った、
夢枕貘先生や京極夏彦先生が扱う内容を、噛み砕きに砕いた、単純明快さも、読んでいて更に、

心地良さを覚える筈だし。もっと付け足しても良いならば、この小説は根本的に、愉快、痛快、爽快、
軽快で明るく「ガハハハハ!んな阿呆な!」大笑いしながら読むのこそ、

ふさわしい読み方な気がするのだ。学生時代、サークルならではの、一方的な片思いや、
喧嘩や、悩み事、頼りなさそうだけれど、やるときはやる先輩の存在等などの、

ピリリと小説を締める要素も抜群で、まるで先の展開を読ませない緩急自在の書き分けが、
後半に向かうに連れ、爆発的に加速していく。恐るべし、ホルモーの吸引力!くどいようだが、

この小説の良さを知る為にも、是非手に取り、ホルモーが醸し出す雰囲気に酔って欲しい。
天晴れな小説を是非アナタに!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【お縫い子テルミー】 栗田有起 ~素晴らしくエッジの効いた美しい短編集~

お縫い子テルミー (集英社文庫)お縫い子テルミー (集英社文庫)
(2006/06)
栗田 有起

商品詳細を見る


栗田さんの小説を読むとホッとする。「人生って捨てたもんじゃないなぁ…」と思えて来るのだ。
それは多分、栗田作品に登場する人達が皆、如何なる状況下に置かれようとも、

結構タフに自分の運命を受け止め、受け入れた上で、前向きに進もうとするからではないだろうか。
この作品の主人公照美も、やはり、しなやかな感受性を持って、

場面場面ごとに必要な選択が出来る少女だ。何も持たない若い少女がひとりで生きていこうと
思ったら、なんだってある街、新宿歌舞伎町しかない!という母の言葉にしたがって、

十五で島を離れ東京に辿り着いた照美。そこら辺の描写が、とてもリアルだから、
ある意味特殊な、主人公が「お縫い子」と言う設定の物語にも、

感情移入がしやすかったのではないかと思う。彼女が最初に勤めたのが
キャバクラのような店だというのも、又。接客風景が丸っきりキャバクラのそれであるのに、

唐突に、日に三回も、女装歌手、「シナイちゃん」の歌謡ショーが挟まれる店。
うわぁ、いかがわしくて、何だかとっても、歌舞伎町っぽいぞ…。

それに、よくよく考えたら、新宿に在るからこそ、しっくりくるんじゃないかな。
何処にでもありそうなのに、その場所にいる全員の背中から色濃く「ここでしか生きてけません」

そんな空気が作品中に揺れている。大都会独特の。
照美が惚れたシナイちゃんが歌以外を愛することが不可能な人で、

歌一筋に一目惚れを続けるしか出来ない位、照美も布と、裁縫を武器に生きるしかない。
照美が初めて「一針入魂・お縫い子テルミー」として自立して行く様、オーダーメイドで、

世界に一つしかない、その人の為だけを思って布を選び、裁ち鋏を入れ、一針ずつ、
世界に一着だけの洋服に仕上げて行く描写が、何より美しい。決して相容れることはない、

お縫い子テルミーと、歌い手シナイちゃん、二人それぞれの一途な恋心が昇華し、
同士として固い友情で結ばれていく。ある意味ハード・ボイルドを思わせると同時に、

新たなスタートをも感じさせる希望に溢れた小説です。
個人的には脇役である依頼主松本さんの、少しとぼけた人物造詣が、作品に、

奥行きと味わいを出していて、良いなと感じました。
併録の【ABARE・DAICO】では、小学生の主人公誠二の視点から視た世界についてが描かれている。

彼が内心ライバル視をしているハンサムな同級生水尾君に負けたくない一心で努力し続ける下り
( 身の周りにいる人の顔と名前を全員分、無理して覚えようとしたり)非常に共感した。

そうなのだ。小学生の頃と言うのは、
「○ ○、すげえ」って風に尊敬を集めたかったりするものなのだ。

で、彼は数多の小学生同様夏休みにちょっとした冒険(含む・背伸び)をする。
彼、小松誠二君の場合はアルバイト。しかも、このアルバイト、

一筋縄じゃ行かない仕事内容だった…。
翻弄される少年の体験するハラハラ・ドキドキした感じに、こちらも笑ったり、

驚いたり、一緒になって不安を覚えたり。すっかり夏の日の少年の気分になる物語はやはり、
他の児童文学同様、爽快な読了感を残してくれたのだった!子どもの頃に感じた、

よその大人を知ることについて、その時に全身に覚えた物思いについての
アレコレがとっても良く書けていて感動しました!!

あ、英語のタイトルの意味に爆笑するのも、忘れないで下さいね。
まさに、一冊で二度美味しい読み応え満点な短編集で、

今年読んだ短編集のベスト1になりそうな気配です、大お勧めいたします。

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【土の匂い】

【ポストカード】土の匂い

皆さま、こんばんは!お久しぶりです。本当にお久しぶりです。
私はと言うと、最近は愛猫を亡くしたり、いろいろ悲しいことがありました。

その中で、いろんな方が支えて下さって、感謝しまくりの日々。
イラストはと言うと、ずっと本を読んで、イラストのことを考えて、考えていました。

それで、やっと描くことのできた「土の匂い」と言うイラストです。
どうかな?今は本好きさんが集まるSNS「本カフェ」の運営でいろんなことを学ばせて

もらってますよ~。楽しい仲間も150人も増えました。みなさまも参加されませんか?
今日は恒例のほぼ日手帳を買いました!イエローにしたんだね。

金運UPを狙うんだよね~(笑)そんなこんなで、またちょくちょく現れると思います。
皆さん、また仲良くして下さいね!愛を込めて・・・。LOVE!!!   ジーナ

◎過去イラストにも気軽にコメント下さいませ。話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : 日々の絵・イラスト
ジャンル : ブログ

【これでよろしくて?】 川上弘美

これでよろしくて?これでよろしくて?
(2009/09)
川上 弘美

商品詳細を見る


川上さんの作品は気持ち良い。読み進めると何度も、五感は勿論、脳までもがヒタヒタにとろけ、
全身に喜びが満ち充ちて来る瞬間が訪れるのだ。それだけしっかりと、人間の姿、日々を生きる中で、

体験する物事や思いが、実感を伴って描かれているから、なるほど!と深く頷けるのだと感じる。
川上さん独特の魅力として、更に、現実の中心に在る世界と、

恐らくは、現実の端っ子の方に在ると想われる世界とが程よく調和して出来上がる、
不可思議な世界のブレや揺れが挙げられるのだが、これも、

人間の虚実をあらゆる角度から見詰める事の出来る作家だからこそ為せる技、
なのではなかろうか?今作に於いても、主人公菜月の専業主婦としての「ゆらぎ」が、

物語の出発点になっている様子だし。自分の辿る買い物のコースが一定なのを、
『買い物道』『主婦けもの道』と自嘲気味に名付けている彼女は、ある日、

いつものルートを外れて用事を済ませようとしていた時、見知らぬおばさんに、
上から下までジロジロ観察されてから、名前を言われ呼び止められる。何と!おばさんは菜月が、

結婚するより遥か前、学生次第に付き合っていた土井優の母だったのだ!!
土井母は菜月をお茶に誘った後、あるカードを渡す。『これでよろしくて?同好会』調度、

菜月は自分の結婚生活に疑問を覚え始めた、結婚8年目の専業主婦38歳。子供なし。
ばったり結婚前に勤めていた、会社の先輩に会った時には、

『会社をやめて、わたしは、ゆるんだのだ』等と思い悩んでいる。
なので、思いきって、外の世界と交流しようと、『同好会』に参加をし始める。

そこは、土井母も含め、20代~60代までの女性達が集まって、
種々雑多な日常の疑問を議論し、1つずつ、お互いある程度のに

納得・解消を得るまで話し尽くしましょうと言う趣旨のサークルだったのだ…。

メンバーに、『結婚正社員』って肩書きを持ったおばさんが居たり、
議論される内容が『日本人は何かと言うと「肉じゃが」を好きなおかず筆頭に上げますが、

実際の所、本音は違うんじゃないでしょうか?』とかの
身も蓋もないフムフムな中身だったり。奇抜な反面、緩やかに緊張する時もあるのが凄いです。

菜月も、このサークルのメンバーとの間に、
家族にも似た親愛の情報を持ち始め、見聞を拡げて行きます。

例を挙げるならば、彼女は突然転がり込んできた、旦那・光の『ママン』との関係を単純な、
嫁・姑の間柄にしまいと奮闘し、力み空回りします。それだけでなく内心は、

旦那と義母、義母と嫁と、何でも世間を基準にして考える為、疲弊してばかりいます。
所が、同好会効果が出だしたのか、1年近く経った頃から、

旦那と嫁ではなく、男と女、人間と人間、として、年齢・性別の垣根を超えて、

互いの違いを愛し、尊重出来る様になって行きます。
同時に嫁・姑を考える時も、各自の家庭を切り盛りする女として、

客観的に姑の人間像が見られる迄になるのです。
そこに至るまでには、確かな「愛情」が存在しますし、決して綺麗事にしない、

清々しい迄の気持ちが在ります。爽快な小説です。
恋愛や夫婦関係に悩んだ経験の有る、全ての方にオススメします!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本+カフェのSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

SNS「本カフェ」参加中!

ランキングに参加しています!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイスト志望へ

プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

love_heartgraffiti★yahoo.co.jp ★を@に変えてご連絡下さい。

※あきらかに当ブログと関係のないと思われるコメント・TBや『これはひどいなぁ』と行き過ぎを感じさせるコメント・TBは削除させて頂く場合があります。ご了承下さいませ。

メールお待ちしています☆

名前:
メール:
件名:
本文:

HEARTGRAFFITIのすべて

ご訪問ありがとう!

☆検索☆

ジーナフウガの一冊入魂レビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。