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【東京日記3 ナマズの幸運。】 川上弘美

東京日記3 ナマズの幸運。東京日記3 ナマズの幸運。
(2011/01/26)
川上 弘美

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『うふふ』と笑いが込み上げて来る至福のエッセイ。川上さんってば、
とにかくチャーミングさが良い塩梅なのだ。日記には虚実織り交ぜてあるそうだけれど、

文章のテンポといい、間の取り方といい、品があって川上さん自体の人間力的な物に、
読み手であるこちらはグイグイ吸い込まれる。新しいことに対して怖がりなことを、

しらが染めに行った美容院で美容師さんから告げられた川上さん。
『しばらくの間、びくびくは体から離れなかった。』とか。大発見。

『ごきぶりは、モーツァルトをかけると、出てくる。マーヴィン・ゲイをかけると、ひっこむ。』とか。
更には極めつけで。『大阪は有名人がたくさん歩いているだろうから、

ぜひ駆け寄ってサイン帳を出そうと思っていたのだが、肝心のサイン帳を忘れて
太いマジックだけは持ってきている。』『もし有名人に出会ったら、しかたない、

背中に直接マジックでサインをしてもらおうと、心を決める。』
『サインを背中にしてもらおうと決意はしたけれど、着ている服は一張羅なので、

なるべく有名人に行き合わないよう、下を向いて歩く。』
『何回も人にぶつかってしまう。しかたなく前を向いて歩いていたら、

テレビで見たことのある有名な男の人(ものおぼえが悪いので名前はわからない)をみつける。

あわてて横道に入り、事なきを得る。』吹き出してしまった…。どうだろうか!?
終始この調子の出来事と、それに対する川上さんの感想が書かれているのだが、

次は是非あなたが読者としてお気に入りエピソードを見付けて欲しいと思う。何しろオススメです!!

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【パスタマシーンの幽霊】 川上弘美

パスタマシーンの幽霊パスタマシーンの幽霊
(2010/04/22)
川上 弘美

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川上さんの作品には随所に面白さのツボがある。
読者はそのツボを押す事で心の凝りをほぐされ良い気分になれる。だから、読むのが止められなくなる。

それに、世にも不思議な設定にもちゃんと、この世と繋がる『おへそ』の様な、真実味と言うか、
確かな質感と、実感とが記されているから、安易な作り話としてではなく、

読み応えのある作品として、安心して物語世界に浸れるのである。
短編小説がたっぷりと収録された本作品集でも、短い中にもギュッと濃縮された川上節が味わえる。

読む快楽だ。印象に残った作品と、一言感想を述べてみたいと思う。
いんちき霊感商法の為に河原で石を拾い集めている【染谷さん】が、パンチパーマで、

いんちきな癖に時折『霊媒師の眼』をするというのはありありと想像出来た。
『しあわせな女』の定義に妙に納得してしまった【銀の指輪】

大人びた中学生である一子(いちこ)ちゃんが抱えている悩みの生々しさ【すき・きらい・らーめん】
恋人・隆司の所に何故か置いてあったのは『パスタマシーン』その小さな機械には食いしん坊だった、

隆司のばあちゃんが取り憑いていると言う。さすが表題作だけあって、独り言のような文体が面白かった
【パスタマシーンの幽霊】のっけから不可思議な感じ漂う【ナツツバキ】この作品からは抜き書きしたい。

『片思い。わたしはつぶやいてみる。さびしさが押し寄せてくるけれど、そのさびしさは、
やっぱり最後のところで、てのひらの隙間から、するっともれていってしまう態のものだ。』

心底素晴らしい文章だなと思う。ちょっとしたSF作品の様な設定が読ませる【お別れだね、しっぽ】
この作品集の他の小説にも登場してくるコロボックルのヤマグチさんと、

老婆との心温まるやり取りが清々しい【庭のくちぶえ】女性ばかり四代続いている家の家宝として
大切にされてきたのが、ある特別な御利益をもたらしてくれる富士山の形をしたバックル、

その名も『富士さん』が活躍をする【富士山】はラストのブラックユーモア的などんでん返しが抜群に良かった。
主人公の奏(かなで)が公園で恋人の亮介と口論しあっている時に『女は男をいたぶるな』と言いつつ、

割って入って来た倉橋さん。以来、倉橋さんの風変わりな男女観を聴かされる事となった奏。
奏と倉橋さんの会話が頓珍漢で面白い【やっとこ】墓地の横の小屋に住む潮入さん。

『アレ』や『ナニ』で説明ごとを済ませてしまう人。そんな潮入さんの事を、きんつばや、
ほりごたつでないこたつやナニかと同じくらい好きな主人公の『片思いは甘ざみしい』

という気持ちがナニかしら分かったような気がした【少し曇った朝】肩の力がふっと抜ける作品集です。
快適な読書時間が過ごせることをお約束します。オススメです!

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【機嫌のいい犬】 川上弘美

機嫌のいい犬機嫌のいい犬
(2010/10/26)
川上 弘美

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日本語の魔法使い川上さんの【1994】~【2009】まで実に15年に及ぶ句作活動の中から、
全部で220の句が抜き出された、ファン待望の第一句集である。

今回うれしいことにオンラインショップbk1さんで注文したら、
本来の発売日(10月30日)の二日ほど前に届いたので、何だか特をした気分になり、

一度目はざーっと全体を読み通し、二度目になって、川上さん独特の言葉使いの中から
強く印象に残った語彙を辞書を引き引き確めながら

(この一連の流れこそ、川上弘美さんの世界をより深く味わうのに
欠かす事の出来ない大切な作業の様に思われる)至福の読書時間を味わった。

川上さんが句作を始めた1994年と言えば丁度短編【神様】が第1回パスカル文学賞を授賞した頃。
で、あるから彼女が未だ作家業を本職にする前から川上さんは俳句を始めていた計算になる。

この、俳句つくりはじめの「暴れん坊」な句を皮切りに、
それぞれの年で印象に残った作品と感想を述べて行きたいと思う。

まず最初のページに掲載されていた【はっきりしない人ね茄子投げるわよ】にはズバッ!と
脳天をかち割られた気がした。い、一体何があったのかは分からない。

けれど、茄子が飛び交う男女関係は、何処かにきっとある。
そんな風に思わせてくれる川上さんの小説の一部分を切り取って来たかの様な、

不思議なリアリティーをも感じさせてもらった。翌年の作品【春闌(た)けてハモニカ鳴らし飽きにけり】
この作品からは春たけなわ、浮かれてハモニカ吹いてたけど、

春も盛りを過ぎてしまったし何だか飽きちゃったな…。的な、
柔らかな春の倦怠感が伝わって来て良かった。闌けてって言葉の響きも好きだった。

この年は他にも好きな句として【泣いてると鼬(いたち)の王が来るからね】を挙げたいと思う。
この句からは日常と幻想の狭間を自由に行き来する作家ならではのゾクリ!

背筋が凍るようなシャープな凄みを覚えた。好きな句を全部紹介したい所だか、
それは余りに無茶っぽいので、後三作品だけ紹介させて頂きたく思う。

【接吻や冬満月の大きこと】この句からは恋する喜びで、
世界をダイナミックに捉えている良さが感じられて澄んだ心持ちになれる。

【人魚恋し夜の雷(いかづち)聞きおれば】夜鳴る雷、きっと外は強い雨と風が吹き荒れているでしょう。
そんなうら淋しい情景の中、海で人魚はどうしているかしら…。

幻想の蒼い灯りの下仄かに人魚の姿が視えて来そうな描写力に惹かれる。
最後に紹介する句も、何でもない、日常風景の中からメルヘンの種をつかむ川上さんの真骨頂だなぁ、と。

【徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう】この句集の表題になるのも頷ける句。
俳句を鑑賞したら、後書き代わりに掲載されている、極上のエッセイ

『俳句を、つくってみませんか。』に是非とも触れて頂きたい!
俳句を作り、味わえる様になるまでの道筋が、非常に丁寧に書いてあり、

『今度は自分でも、俳句を作って見ようか』そんな前向きな気持ちになれるオススメの一冊です!!

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【これでよろしくて?】 川上弘美

これでよろしくて?これでよろしくて?
(2009/09)
川上 弘美

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川上さんの作品は気持ち良い。読み進めると何度も、五感は勿論、脳までもがヒタヒタにとろけ、
全身に喜びが満ち充ちて来る瞬間が訪れるのだ。それだけしっかりと、人間の姿、日々を生きる中で、

体験する物事や思いが、実感を伴って描かれているから、なるほど!と深く頷けるのだと感じる。
川上さん独特の魅力として、更に、現実の中心に在る世界と、

恐らくは、現実の端っ子の方に在ると想われる世界とが程よく調和して出来上がる、
不可思議な世界のブレや揺れが挙げられるのだが、これも、

人間の虚実をあらゆる角度から見詰める事の出来る作家だからこそ為せる技、
なのではなかろうか?今作に於いても、主人公菜月の専業主婦としての「ゆらぎ」が、

物語の出発点になっている様子だし。自分の辿る買い物のコースが一定なのを、
『買い物道』『主婦けもの道』と自嘲気味に名付けている彼女は、ある日、

いつものルートを外れて用事を済ませようとしていた時、見知らぬおばさんに、
上から下までジロジロ観察されてから、名前を言われ呼び止められる。何と!おばさんは菜月が、

結婚するより遥か前、学生次第に付き合っていた土井優の母だったのだ!!
土井母は菜月をお茶に誘った後、あるカードを渡す。『これでよろしくて?同好会』調度、

菜月は自分の結婚生活に疑問を覚え始めた、結婚8年目の専業主婦38歳。子供なし。
ばったり結婚前に勤めていた、会社の先輩に会った時には、

『会社をやめて、わたしは、ゆるんだのだ』等と思い悩んでいる。
なので、思いきって、外の世界と交流しようと、『同好会』に参加をし始める。

そこは、土井母も含め、20代~60代までの女性達が集まって、
種々雑多な日常の疑問を議論し、1つずつ、お互いある程度のに

納得・解消を得るまで話し尽くしましょうと言う趣旨のサークルだったのだ…。

メンバーに、『結婚正社員』って肩書きを持ったおばさんが居たり、
議論される内容が『日本人は何かと言うと「肉じゃが」を好きなおかず筆頭に上げますが、

実際の所、本音は違うんじゃないでしょうか?』とかの
身も蓋もないフムフムな中身だったり。奇抜な反面、緩やかに緊張する時もあるのが凄いです。

菜月も、このサークルのメンバーとの間に、
家族にも似た親愛の情報を持ち始め、見聞を拡げて行きます。

例を挙げるならば、彼女は突然転がり込んできた、旦那・光の『ママン』との関係を単純な、
嫁・姑の間柄にしまいと奮闘し、力み空回りします。それだけでなく内心は、

旦那と義母、義母と嫁と、何でも世間を基準にして考える為、疲弊してばかりいます。
所が、同好会効果が出だしたのか、1年近く経った頃から、

旦那と嫁ではなく、男と女、人間と人間、として、年齢・性別の垣根を超えて、

互いの違いを愛し、尊重出来る様になって行きます。
同時に嫁・姑を考える時も、各自の家庭を切り盛りする女として、

客観的に姑の人間像が見られる迄になるのです。
そこに至るまでには、確かな「愛情」が存在しますし、決して綺麗事にしない、

清々しい迄の気持ちが在ります。爽快な小説です。
恋愛や夫婦関係に悩んだ経験の有る、全ての方にオススメします!

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【おめでとう】 川上弘美

おめでとう (新潮文庫)おめでとう (新潮文庫)
(2003/06)
川上 弘美

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川上さんの文章を読むと気持ちが柔らかく揉みほぐされて行くのを実感する。
多分それは、川上さんの文章に、我々が普段の生活の、あらゆる場面で、何気なさ過ぎる為か、

つい見落としている様な物が、さりげない言葉で書かれて在るからなのであろう。
それまで、なんとなく感覚の外側で把握していた事柄も、言葉で理解すると、

『あぁ、こういう訳だったのか!』深い感慨を伴ってストン、腑に落ち、心身の内側で、
納得出来る様になる。つまりは、世界と自分とは地続きなのだ、

と思える安心感を読者に提示して見せられる所が、川上文学の魅力だと思う。
この世の中の、ありとあらゆる存在を分け隔てなく、1つに繋がった世界の隣人として

捉えているのも独特の面白みがある。12の短編を収録している本作品もやはり、
川上弘美さんだなぁ、うれしくなるなぁ!、そう思える言語表現に溢れていた。

『いつぞやはあたしのことをあいしていたはずなのに、知らない男と結婚してしまったタマヨさん』。
以来十年以上音信不通の関係だったが、ひきだしからタマヨさんの写真が出てきて、

まだタマヨさんがだいすきだということがわかり、長年の強情をさっぱりと捨てて、
タマヨさんに会おうと思った、あたし。お互いの十年、大昔ではない、けれど、

年月の経過を思い知るには充分な程、昔。恋に酔いしれる思いは、
すれ違ったまま【いまだ覚めず】。共に家庭を持つ身である、トキタさんと私。

いつもは待ち合わせの喫茶店でお茶を飲む間も惜しみ、一時間半の逢瀬を重ね続けて来た。
そんな2人が、いつもと違う時間、いつもと違う場所で過ごす、特別な一日。

2人切りで鍋を囲むクリスマス、大人の事情を静かに受け入れつつ、
それでも最大限に相手を思いやる関係。トキタさんが呟く

『百五十年くらい生きてれば、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ』って
言葉が切なく響いてくる【冬一日】西暦三千年1月1日のわたしたちへ向けての手紙。

現代から千年も先の世界では、人々の数もごく僅かになり、トウキョウタワーも近くに行くと
ぼろぼろに朽ち果てているのだけど、遠くにいる人々には変わらない、きれいな姿を見せ続けている。

そんな世界にあっても人々は、月日を数えたり、言葉を喋ったりするのをやめてはいけないと、
懸命に生活を守り生き抜こうとする。そんな中、寒くなるとやってくる新しい年。ときどきくる、

今のことを、今までのことを、これからのことを、忘れないでいよう、
と決意する新しい年の始まりの一日。【おめでとう】。

他人だった2人が、恋人になり、かけがえのない時間を共有する縁の不思議について、
バリエーション豊かに書かれているので、きっとお気に入りの作品が見つかると思いますよ、

オススメです!。

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【真鶴】 川上弘美

真鶴真鶴
(2006/10)
川上 弘美

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真鶴。この世とあの世。そして、実在と不在について、深く考えさせられる小説でした。
主人公、柳下京(やなぎもとけい)は十二年前、突然、夫である礼に蒸発された過去を持つ女性。

現在は、自分の母と、娘百(もも)との女三人暮らし。仕事の縁で知り合った恋人青茲は、
妻も子もいる編集者。今や付き合いは、夫と過ごした時間よりも長いほど。

更に、誰にも口外してないけれど京は、自分に、ついて(憑いて?)くるものを
自然に感じ取る体質らしい。そんな京がある日、東京駅で人とあった後、

何故だか中央線ではなく、東海道線に足が向いて仕舞い、降りた駅が、真鶴だった、という訳だ。
この真鶴でも女が京についてくる。どんな訳だか、ついてくるものを感知する時、

京自身の内面で記憶が揺り戻されたり、現実の外の世界が『にじんだり』するのが印象的だった。
それにしても、著者である川上さんの文章の冴えには、毎回圧倒される。

今回も反抗期の百に手を焼きながらも、娘が成長し、自分の手を離れてしまう事へのジレンマが、
実に巧みに浮き彫りにされていて、唸らされた。

内面を描く時の圧倒的なリアリティーがあるからこそ、スーッと、
異形の物がついてくる世界に移行されても、違和感なく安心して読めるのだと思う。

真鶴に果たして何が存在したのか、は実際に、皆さんに読んでもらうとして、生きるとは何か、
存在する物と、嘗てそこに存在した物を、繋ぐのが出来るのは、果たして誰の役割なのか、など。

良い意味で、自分なりに、人間の生について考えさせられました。
京の恋人の『あなたといると安眠するような感じ、眠くなる』という言葉も、

この強すぎないけれど、しっかりした質感を象徴するようで好印象を持ちました。
読書の時間をゆっくり、じっくり楽しんで下さいませ!!

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【ほかに踊りを知らない。】 川上弘美

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))
(2007/11/17)
川上 弘美

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前作【卵一個ぶんのお祝い。】に引き続き、今作【ほかに踊りを知らない。】
でも、日記の中の五分の四くらいは、『うそみたいですがほんとうのこと』だそうです。

日記には、月毎の題名が付けられていて、翌月に読み進む前に、
各月のそれを意識しながら二度目を読むと、日記の内容と題名が上手にリンクしていて、

短編小説を読んでいるような気分になって来ます。
多分、実際に過ごした日々の浮き沈みやバイオリズムには決して逆らわないで、

あくまでも自然体の(日記)文章を書く。
ただスパイス程度の【嘘】を作品として編集し直す時に、ぱらり隠し味にまぶすだけ。

川上弘美さんの書き記す文章は達人の域まで到達していると言っても決して過言ではないでしょう!
話し言葉としては勿論、書き言葉としても最近では滅多に使われなくなった言い回し。

下手にカッコ付け用いたら大惨事を招きそうな表現。
そんな懐かしさや温かさを伴った日本語をいとも簡単に掬い取る抜群の筆力。

傍に辞典置いて意味を知りながら読むのも川上作品を味わう醍醐味の一つ、オススメします。
気張らず辞典を引ける。気取りのない川上さんの魅力だと思っています。

本編では表題作に思いっ切り噴き出してしまいました。
壊れた電話復活祈願で踊るは【ほかに踊りを知らない】からって、

たった一つだけ知ってる踊りがこれかい!大声でツッコミ入れてしまいました…。
笑わせる月もあれば、師走残り五日からの年賀状騒動描いた【ぽそ】に

ほっこりした気分にさせてもらったり、【くぜさん】の訃報をうけてからの一月あまり
故人が嫌がるだろうと、泣くのを我慢する川上さん。この月の最後数行に涙したり。

本のオススメを伝えたくて、書き始めた文章。
日記にしろ文章にしろ、何をどんな風に書けば良いのかが伝わる、とても素晴らしい本です!

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【どこから行っても遠い町】 川上弘美

どこから行っても遠い町どこから行っても遠い町
(2008/11)
川上 弘美

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川上さんの書く小説はすっきりとしている。そこが好きだ。
日本語の持つ美しさ、言葉の響き、さらさらと水の如く流れる文章。

身体の中の胸の内側、思いが言葉に変わっていく様子が、鮮やかに描かれてある。
どれだけ人間を観察したなら、これほどまで的確に人が物を思う時の心の揺れを書けるのだろうか!?

連作短編である今作において、登場人物達の関係は、
様々な形にリンクし、スライドしあいながら存在する。各人の物語。

心象風景から浮かび上がる町の輪郭。地域に根ざした昔ながらの商店街の姿。
買い物にはセットで世間話が付いて来る。

名前は?年はいくつ?へぇ、何やってる人?そう、先生なの偉いね!
最初は戸惑いつつも、次第に町と顔馴染みになる妙子の描かれ方が良い。

町を外から傍観していたのが、日々の暮らしを通じ、
自分や周囲の人々の内側に潜んでいる気配を観察出来る迄に変化して。

魚春の主人平蔵さんは、死んだ奥さんの愛人源さんを、
ビルの屋上に建ってる不思議な形の小屋に住ませている。

『あれは、憎みあっている顔ではない。そう思った。
あれはただ、いろいろなことを見てしまった顔だ。』果たして2人は何を見てしまったのか!?

短編の1つ1つを縦糸横糸に、織りなされる人生模様。
その流れが在るからこそ、最終話に明かされる謎や結末の静けさが胸に沁みるのだと思う。

それ位、どのエピソードも現実として、何処かで起きていそうで凄い。
特に、【蛇は穴に入る】に出て来た介護ヘルパー谷口くんが印象的だった。

福祉の仕事をする前に勤めた職場では必ず、
「不運な巡り合わせ」とでもいうべき出来事が起きている。

突然社長に頬をグーで殴られたり、パンチパーマをきつくかけた女性上司に押し倒されたり、
好意を寄せていた子が強盗に殺されたり。

けれども彼の語り口は何気なく
『ちょっと思い出話をしてみました。』風の、さりげなさすら漂わせている。

流し読みしそうになったけれど、劇的な出来事も案外、
当事者にすれば淡々と語る他に方法は無いのかも知れない。

小学生から、お年寄りまで。様々な年齢の登場人物が胸の内を、ありていに打ち明ける様。
人生を、穏やかに力強く肯定してくれる傑作です。

装画の谷内六郎さんの絵柄やぬくもりある本の質感も味わって下さいね。

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【古道具中野商店】 川上弘美

古道具 中野商店古道具 中野商店
(2005/04/01)
川上 弘美

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町の古道具屋さん。店先にはケロヨン人形や白いギター、懐かしの阪急ブレーブスの帽子に
魔法瓶、電器スタンドに至るまで。身近な古い物なら何でも扱う、たくましい感じが好きです。

舞台となっている中野商店さんも、そんなタフな魅力溢れるお店の一つ。

『だからさぁ』が口癖の店主中野さん。いつも『銀行に行く!』と言って出かけ中々戻って来ないのは
どうやら愛人にあっているらしく…。商売やる気が有るのか無いのか分かりにくいですが、

10万で引き取った品物を100万で捌いたりと腕は確かなようです。

店員さんは2人。まず話の語り手でもある接客担当のヒトミさん。
1人店番してる時に限ってやってくるお客さんからに奇妙な品物を託されたり、

色々な頼まれ事や相談事寄ってくる、磁石タイプの人。

そして、中野さんの助手として市に出掛けたりする外回り担当のタケオくん。
高校時代いじめによる事故で傷を負って以来、内にこもりがちになったんだそうです。

しょっちゅう店に顔を出す、店主の姉でゲージュッカのマサヨさん。

店員2人の若い恋とは対照的な、熟年男女ならではの深く切ない結び付きを感じさせる
恋愛をしていて、イイ味出してます。なるほど古道具屋さんの毎日って、淡々と穏やかに見えても、

静かに激しく【物思う】ドラマチックな時間が展開されているのだなぁ、と感じたです。
エピソードの1つ、1つ。交わされる会話の息遣い。恋愛小説としての面は勿論、

全ての要素が素晴らしいので、是非とも体感して頂きたいオススメの一冊です!!

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【東京日記 卵一個ぶんのお祝い。】 川上弘美

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。東京日記 卵一個ぶんのお祝い。
(2005/09)
川上 弘美門馬 則雄

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短編小説集【神様】が非常に素晴らしかったので、書いた本人にも興味沸き読んだ一冊。
内容面白いのは勿論の事。感受力桁外れな人だからこそ日々の物音を決して、見逃さず、
聞き漏らさずに書けるのだろうな、と思った。小説もだけど、何て言うのか不思議な手触り。

世界の気配に敏感、繊細。なのに決してシリアスだけにならずユーモラスでチャーミングで。

混んだ電車の中、姿勢よく立ったまま次々と大福をたいらげてゆく【大福おじさん】を見つけ、
おじさんの食べた個数を数えたり。知り合いに会って声掛けたら走って逃げられたので、
ふたたび見つけた時、今度こそ逃げられまいと足音を忍ばせて近づき「わっ」とおどかす。

(あ、あなた子どもじゃないんだから。)やっぱり逃げ出される。
「どうして逃げるのー」叫ぶと「夏の終わりはさみしいですからー」走りながら答えられたり。
あとがきに『五分の四くらいは、ほんとうです』え、日記文学なの!?残り五分の一は何・・・!?

もう一度最初から読み直し楽しみました。
タイトル卵一個ぶんのお祝いエピソードも微笑ましくて素敵です。
ゆったりたっぷりした読書時間楽しめるオススメ本です!!

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プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

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