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【無名】 沢木耕太郎

無名 (幻冬舎文庫)無名 (幻冬舎文庫)
(2006/08)
沢木 耕太郎

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有名無名問わず、あらゆる人間の人生を取材し数々の傑作ノンフィクションを書き上げて来た
作家沢木耕太郎さん。それでも、父が倒れた時その人生を知らないままに居た事に気付く。

沢木さんは長い間、父の人生をある一人の無名な男の評伝にするつもりで
聞き出して行きたかったと言う。しかし、現実的には父上の容態悪化は思いの外早く、
入院後間もなく意識混濁が始まり肺炎で発熱と、とても長時間会話が交わせる状態ではなくなる。

ここからの沢木さんの執念が凄まじい。父が五十八から始めた物の六十五の年に、
ふっつりと止めてしまっていた俳句を、自分の知らない間に再開していた事実に辿り着き驚き喜ぶ!!。

何故なら入院前年、米寿祝いの折、記念の句集を提案しても
『いいんだよ、そんなことをしてくれなくても』と断られていたのだから。

存命中に句集を編み上げたい、もしかしたら生命力を取り戻してくれるやもしれないではないか!?
との希望を抱く沢木さん。まずは比較的元気そうな時、季語の漢字の読みや言葉の意味を尋ね
意識を俳句に向かわせる。父上は息も絶え絶えながら、二言、三言答えてくれる。

ある意味、壮絶で鬼気迫る親子関係だと感じた。消灯後父の寝顔を見ながら句に触れる。
十七文字の短い言葉に込められた人生への思い。父の生きて来た姿を思い出す沢木さん。

晩酌で一合の酒を飲み、食後一冊の本をゆったり時間掛けて読む。
それが最高の贅沢で、決して欲張らず淡々と抑制の効いた日々を送って来た人。

人生の最晩年に『差し引けば/仕合はせ残る/年の暮』と詠んだ父の心境を知り、
『父の話を聞いてどうしようというのか…』と言う呟きを洩らす息子沢木さんに、
親から子へと潔さが伝わって居るのだなと深く感動しました。

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