スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【どこかで誰かが見ていてくれる】 福本清三

どこかで誰かが見ていてくれる―日本一の斬られ役 福本清三 (集英社文庫)どこかで誰かが見ていてくれる―日本一の斬られ役 福本清三 (集英社文庫)
(2003/12)
福本 清三小田 豊二

商品詳細を見る


四百人からの大部屋俳優が在籍した東映映画の全盛期。
誰もが明日のスターを夢見ては鎬を削っていた時代に、他人の出世には、

目もくれず、ただ唯、田舎育ちで、世間知らずな自分が、
俳優なんかで居られることに感謝しつつ、日々を渡り切って来た男・福本清三。

無私・無欲・無名、と三拍子揃った福本さんの『役者バカ一代記』と呼ぶのがピッタリな本書。
聞き語りと言う形式の中で、自身の、裏方人生を、

ぼそぼそと話して行く時の余りに謙虚で腰の低い姿に学ばされる思いがしました。
自分は、大部屋俳優とは言っても、他の仲間のように、是が非でも俳優になって、

スターさんの仲間入りをしてやるんだ!等の明確な出発点を持たないし、付け届け等の、
世渡りが出来る様な、裕福な家庭に育った訳でもない。

けれども、『雑兵で傷だらけになっても平気な顔をしていたり、
忍者になって誰よりも先に駆け降りて失敗したり、暴れ馬に蹴られたかの如く

すっ飛んだりしているうちに、助監督たちに、だんだん「あいつは、なかなかおもしろいヤツだ」って
思われるようになってきたから不思議ですね。』と半ば照れ臭そうに述懐する福本さん。

必死にやる、だけれども、無欲で無我夢中になってやり切る!
これって、誰もが簡単に成し遂げられることではありませんよね!?。

それをサラリとやってのけ、更に、大部屋俳優の知恵として、
「自分の名前を売り込もうとしない。相手から聞かれるようになれ。」と断言出来るフクさん

(福本さんの通り名)。カッコいい人だなぁ……。こんなさりげなくカッコいい人ですから、
やっぱり何かしら周囲も放っては置けないんでしょうね。

新時代の殺陣用にとスタントマンの走りとしても駆り出されていて!!。
必要とされたら何でもやるし、仕事をとにかく楽しんで、工夫してやる!。

頭の下がる思いがします。本業(?)の斬られ役に関しても、自分に稽古を付けてくれた先輩に、
「斬り方はだいたいわかったんですが、斬られ方を教えて下さい」と聞いてしまった…。

すると、その先輩「あのな、フク。剣術にも居合術にも、斬り方はあっても斬られ方はないんや。
あくまで人を斬ることが目的やから、斬られる稽古があるわけないやろ。

お前だけの斬られ方があってええってことや」 と優しく諭してくれます。こんな風に、
出会う人にも恵まれ、以来、斬られ続けて幾星霜。

遂に『二万回斬られた男』の異名を持つ迄になるのですから、人間の運命って不思議です。
リハーサルと本番では気迫も形相も段違いだったというのが、

御大・市川歌右衛門さん演じる『旗本退屈男』負けず劣らず凄まじいのが、
大友柳太朗さん演じる『丹下左膳』。本番が始まると、血が煮えたぎるのか、

何もかも忘れて、遮二無二刀を振り回す始末…。本当に、顔の前を刀が通り過ぎ、間一髪、
命拾いしたり。スターの側も、斬られ役の側も、『如何に太刀回りを素晴らしい物にするか』に賭け、

息を合わせて行くのに、意気込みや粋な心を感じました。
しかし、活況を呈していた時代劇及び日本映画も、やがて娯楽の主役の座を、

テレビに奪われてしまいます。その頃から、映画界も大きく様変りを始め、
東映は時代劇制作から手を引き、ヤクザ映画専門の会社へと変貌を遂げます。

その間も、大部屋俳優フクさんは、ブッチャーと戦わせられたり、ガッツ石松さんに殴られたり、
と過酷な撮影が続く一方で、日本ヤクザ映画の金字塔『仁義なき戦い』の深作欣二監督には、

初対面となる撮影時までに、顔と名前、殴られ方、倒れ方、死に方の癖に至るまで
全部をチェックされていたそうです。まさしく、この本のタイトル通り、

『どこかで誰かが見ていてくれる』ですね!
(深作監督との逸話は、本当に胸にグッと位素敵なので、

実際にその箇所を読まれる事をオススメ致します)定年まで四十年、
大部屋俳優一筋に励んだ人、フクさんが定年間際、

最後に、ハリウッド映画『ラスト・サムライ』に出演が叶ったのも、
ひたすら無私無欲の日々を貫いた者への、ご褒美の様に思えてなりません。

福本さんの生き方からは学ぶ所、大!、大オススメ致します。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本+カフェのSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。
スポンサーサイト

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【おちおち死んでられまへん―斬られ役ハリウッドへ行く】 福本清三

おちおち死んでられまへん―斬られ役ハリウッドへ行く (集英社文庫)おちおち死んでられまへん―斬られ役ハリウッドへ行く (集英社文庫)
(2007/07)
福本 清三小田 豊二

商品詳細を見る


liquidfishさんから、ゆずって頂いた本です。

トム・クルーズ主演で、ハリウッドが本気になって制作した
時代劇映画という点でも話題になった作品【ラストサムライ】。

劇中で、異常なまでに無口な【サイレントサムライ】として燻し銀の演技をしていたのが、
本書の主人公福本清三さん、その人である。

中学を卒業したばかりで右も左も分からない、橋本清三少年が飛び込んだのが、
当時全盛の映画の世界。最盛期には、500以上もの人たちが在籍していたと言う、

東映の大部屋俳優。役者を志望していた訳ではなくて、生活の糧を求めて、行き着いた場所。
だから、仕事は何でもやった。大部屋俳優の一番の仕事は、如何にスターさんを輝かせるかに有る。

その為には、日々、斬られ方や、死に様を、研究し磨かねばならない。
福本さんは淡々と『仕事やからね』と謙遜するけれども…。

無心で仕事に打ち込み、四十五年もの間、唯ひたすらに斬られ続けて来た回数は
裕に2万を越えるのだとか。その間のエピソードも、照れ屋の福本さんは淡々と、

時に飄々と冗談を混じえて語る。独身時代の同居人が、川谷拓三(拓ボン)だった。
(その後『ピラニア軍団』の中心的存在として有名俳優となる)ので気楽な貧乏暮らしを謳歌していた。

けれど、所帯を持ったのに、ないない尽くしとはいかない。家賃だって払わなきゃならんし。
で、それまで以上に危険なスタント仕事も引き受けたり、いろいろ幅を広げる。

役者を辞めようか?考えた時、奥さんから『あんた、何言うとんの。私が苦労を苦労と思わんで
これたのは、あんたが俳優さんやったからやないの。勝手に弱音を吐くんなら、私の青春返して!』。

猛然と叱り飛ばされる…。普通ならば、充分苦労話なのだが、福本さん、恥ずかしそうに語り、
決して驕らない。無名を貫き、黙々と生きる姿、スクリーンの片隅に刻み続けた、年輪が、

ハリウッドの目に留まり、自然体の【サイレントサムライ】として実を結んだのだろう。
心からの拍手を贈りたいと思った。更に、本書の最終章で福本さんが手にする、

ある栄光について夫人が口にする喜びの言葉にも、日本一の斬られ役と、
それを裏で支えている全ての人への、真心が込められていて、この深い夫婦の絆に

『あぁ、なんて気持ちの良い人たちなのだろうか!』と胸にジンと滲んで来ました。
日本映画の歴史の表裏も、ハリウッドが映画に懸ける情熱も分かる骨太の一冊です!

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本+カフェのSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

SNS「本カフェ」参加中!

ランキングに参加しています!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイスト志望へ

プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

love_heartgraffiti★yahoo.co.jp ★を@に変えてご連絡下さい。

※あきらかに当ブログと関係のないと思われるコメント・TBや『これはひどいなぁ』と行き過ぎを感じさせるコメント・TBは削除させて頂く場合があります。ご了承下さいませ。

メールお待ちしています☆

名前:
メール:
件名:
本文:

HEARTGRAFFITIのすべて

ご訪問ありがとう!

☆検索☆

ジーナフウガの一冊入魂レビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。