スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【四畳半王国見聞録】 森見登美彦

四畳半王国見聞録四畳半王国見聞録
(2011/01/28)
森見 登美彦

商品詳細を見る


もう、登美彦氏ってば阿呆なんだから!でも男汁だくだく、
ぐだぐだの愛すべき阿呆たちの生態を書かせたら登美彦氏の右に出る者は居りますまい!!

今回の作品も思う存分楽しませて頂いた次第である。森見作品と言えば、
世にも阿呆な団体や名称が次から次へと登場してくるのが常なのだけども、

四畳半王国の王者を自称する者、阿呆神の存在を侃々諤々、ひたすらに議論する者たち、
四畳半統括委員会、詭弁論部に、図書館警察、大日本凡人會等々、こうなるとこちらも半分ばかり阿呆になり、

半開きの口から涎をたらし呆けて状況に流されるより他には手段を持たなくなるのだ。
更に登美彦氏の作風の魔力、もとい、魅力として人物造形の巧みさが挙げられるであろう。

【夜は短し歩けよ乙女】にも登場した天狗を自認する樋口、阿呆の中の一輪の花、黒髪の乙女。
他にもマンドリンの演奏を辻説法と無理矢理合体させサークルを追われる事と相成った阿呆学生丹波。

大学で栄養学を教える傍ら、世界各地へ美味いもの探しへ出かけては、
連続冒険活劇さながらの調査を遂行することで著名でありながらも、

背中に貼り付いたヤモリに怯え甲高い悲鳴を上げる、愛すべき存在淀川教授。
空海の高みを目指しては、まず手近な鞍馬山を攻めて、遭難し、野生の猪の突進から、

危機一髪で生還した茅野。黒髪の乙女に言わせると、そう『見渡すかぎり阿呆ばっかり』なのである。
で、あるがしかし、作家森見登美彦氏の特別である所以は時空間を悠々と泳ぐような筆捌きで、

『一切は蝸牛(かたつむり)の角の上で繰り広げられていたということを忘れてはならない。』と、
寸鉄読者を刺す、絶妙の皮肉な哲学具合に在るのではないだろうか。作家論はともかくとして、

この短編集に所収の七作品、べらぼうに愉快だった。中でも不条理かつ、
訳の解らない筋書きが次第に滑稽さを加速させる【グッド・バイ】が最高だった。

笑える本が読みたい方、世界の不条理を嘆いている方等に読んで頂きたい傑作です!


◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。
スポンサーサイト

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【夜は短し歩けよ乙女】 森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
(2008/12/25)
森見 登美彦

商品詳細を見る


いやはや大変面白く、かつ愛すべき世界を持った小説です!
曲者揃いの登場人物と言い、奇想天外な筋書きと言い、愛くるしいのです、無性に。

そして、あなたも『あぁ、京都に行きたいな』と思わずにいられなくなることでしょう。
物語は春の宵の宴席に、偶然にも巡り会わせた『黒髪の乙女』と『先輩』の夜の京都市中冒険譚に幕を開けます。

乙女は大好きなお酒を求めて、先輩は乙女の姿を追い求めて、互いにさ迷う内に次々と風変わりな人物や、
出来事に巻き込まれて行きます。錦鯉センターを経営していた物の、

突然の竜巻で錦鯉たちが次々と空へと召喚され、壊滅的打撃を受けたと呟きながら、
乙女にセクハラを繰り返す、助平親父・東堂氏、危機一髪の乙女を救ったのが、

麦酒を鯨の様に飲み『眠れる獅子』の異名を取る女傑、羽貫(はぬき)さん、
彼女の連れで飄々と『私の職業こそは天狗です』と言い放ち、宙に浮かんで人々を煙に巻く樋口さん。

この二人を加えた愉快極まる三人組は、タダ酒を求めて、見知らぬ人たちの宴席へと潜り込みます。
が、この潜り込んだ先と言うのが弁論部ならぬ『詭弁論部』の学生たちの宴の場所立ったものだから、

タダならぬ乱痴気騒ぎに巻き込まれることになるのです!この時学生諸君が練り踊る珍妙なる
『詭弁踊り』には爆笑してしまいました!!小説を読む楽しさに、

『よくもまぁ、こんなこと思い付くよなぁ』って感慨が浮かぶんですが、
本作品はまさに、奇想の宝庫だと言っても過言ではないかも知れません。

そんな痛快な夜はやがて、黒髪の乙女と、京都のフィクサー的老人、
通称李白翁との飲み比べ『偽電気ブラン対決』へと雪崩れ込みます。

この李白翁の一言が『夜は短し歩けよ乙女』だと言うのが実に味わい深いなと思いました。
春の宵の次の二幕目は、真夏の京都の古本市が舞台です。前の章では目立たなかった先輩が、

この章からじわりじわり乙女との外堀を埋めるべく活躍し始めるのも見所の一つと思います。
李白翁の移動式三階建て住居で開催される『真夏の我慢比べ・火鍋大食い大会』と、

颯爽と現れ全てに、どんでん返しを喰らわせる『古本市の神様』の対比が絶妙でワクワクしました。
で。クライマックスとも言えるのが学園祭の執り行われる、秋。

純粋に学園祭を楽しんでいたはずの乙女が、気付けば、アラアララ。
学園祭ジャックをした路上パフォーマンス的な演劇・『偏屈王』のヒロイン役に大抜擢されます。

神出鬼没な舞台を追い掛け、先輩の文字通り、命を張った乙女追跡が繰り広げられますが顛末や如何に?
この幕でも韋駄天コタツや、パンツ総番長、象の尻を展示する女性などが現れ、

黒髪の乙女と先輩の恋路を後押ししているのが良かったです。当の二人の擦れ違い振り等も含めて、
イケてない青春や恋愛を全力応援した前向きな力に満ち満ちた本です。

解説の羽海野チカさんの愛くるしいイラストまで味わい尽くして下さいね!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【きつねのはなし】 森見登美彦 ~狐火に誘われ、あやかしの世界へ~

きつねのはなし (新潮文庫)きつねのはなし (新潮文庫)
(2009/06/27)
森見 登美彦

商品詳細を見る


やはり、この作家只者でなかったか…。彼がデビュー作【太陽の塔】で描いてみせた過剰な迄の馬鹿馬鹿しさ、
青春期特有の青臭さ、妄想が暴走に転じた後、見事な幻想=ファンタジーに結実する様、

そのどれもに魅了されしてやられた者としては、氏の書くユーモア系以外の作品も、
是非読んでみたいと思っていた。その様な折りに、日頃から親しくして下さっている読書ブロガーの方々が、

連鎖的に本作品を読み、口々に面白かったと書評に綴られているのを拝読し、
手に取ったという次第である。いやはや参った。怪談とも幻想文学とも取れる幽けき世界が展開されているのだが、

巧みな筆捌きに導かれるまま物語の奥へ奥へと踏み込んで行き、気付くと、
何処ともつかぬ場所へ放り捨てられている自分が居たのである。

得体の知れない感覚が全身を襲い皮膚が粟立った!!じわりじわり、
後から後から『あそこの部分は何だったのだろうか?』思い返すに付け、

怖くなり嫌な冷や汗が出て来るのだ。こんなけったいな読書体験はまったく持って初めてだったから混乱した。
タイトルの通り、狐につままれたのだろうか?収められているのは中編小説が四つ。

表題作。古物商・芳蓮堂でアルバイトを始めた私(男性)が、
つい割ってしまった皿の代わりになるような品物を見繕って貰う為に、

天城という男の邸宅を訪れるようになった事が発端で、私の周囲の人々の運命の歯車が
ギシギシ音を立てて狂っていく様子が描かれている。幽談の常で、私は店主ナツメから

『天城さんが冗談であなたに何か要求するかもしれませんが、決して言うことを聞いてはいけません。
どんな些細なものでも決して渡す約束をしないで下さい。あの人は少し変わった人なのです』

強く言い渡されるのだが、天城の要求、いや、欲しがった物が単なる電気ヒーターであったのに油断してしまい、
簡単に渡してしまう。それは些末な行為だったはすである。だが、しかし。

怪人天城は次から次へ人の内部に潜む大切な何かを手繰り寄せては我が物にしてしまうのだ…。
確実に、悪意が作用しているとしか思えない点に、怖さが隠れているような気がした。

大学という所には伝説を持って語られる謎の先輩が存在するものだ。博覧強記、一度喋り出すと、
水の流れるがごとく滔々と止むことを知らない。大学生活に早々と飽きていた私は、

先輩が放つ妖気の如きオーラに惹かれ、学生生活そっちのけで彼との交遊に熱中する。
京都の夜の闇を利用した骨董品の受け渡しに助手として同行した話しや、

数台の幻灯機を様々な角度に配置し、雷獣の幻影を浮かばせた時の話し、
長い間行方不明だった兄が、再会した時、大道芸人になっていた話し等々、

先輩の話しは何れも京都の街の幽玄さをも兼ね備えている。だが実は彼の話し全ては、
悲しい秘密から生まれ落ちた物だったのだ。【果実の中の龍】秘密が持つ切なさが、

この話しの魅力を引き立てていると思う。四編中で最も不可思議極まりないのが【魔】。
家庭教師を始めた京大生の私が、気付かぬ内に、次第次第に京都の闇に巣食う【魔】に魅入られて、

と言う話しなのだが、読み返してみると頁の隅々から、
行間の余白から怪しい香りが立ち上っているのが分かり恐怖感が襲って来るのだ…。

そして、最後に収録されている【水神】知らず知らずの内に代々の当主が、
水に魅入られる樋口家最後の当主が死亡した。その通夜の晩、親族一同が会した折りに、

何処からともなく摩訶不思議な水が発生して…。皮膚から全身へと、得体の知れない恐怖が、
文字から姿を変え、そっと近づいてくるような作品集です。是非とも実際に読んで、確かめられて下さいませ。

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ読んで気に入って下さったら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

【SNS 本カフェについて】親愛なる皆様へ
「本カフェ」は、本好きさんが集まるSNS読了本、お譲りします!もOPEN!!!
↑ご希望の方は『新規登録』をクリックし会員登録を行なって下さい。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

【太陽の塔】 森見登美彦

太陽の塔 (新潮文庫)太陽の塔 (新潮文庫)
(2006/05)
森見 登美彦

商品詳細を見る


『何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。』
うわぁ、のっけから!宣言しちゃってるよ!!この身も蓋もない感じって…、あの頃の俺もマンマだ。

あぁ、そうだよなぁ、若さとバカさをゴッタ煮にしてさ、
過剰な純情が雄叫びを上げるのを止められず、七転八倒すんの。

言葉使いもニーチェの真似したりするんだけどもね。
本人、ラジカルやシニカルを意識しても、周りからみたらコミカルにしか過ぎん訳だわよ。

Youknow!?わ、笑えねぇ。身につまされるぜ、
森本氏(って、この呼び掛け方は息長いんだなぁ。ビバ!トキハ荘)

す、すみません、つい取り乱してしまいました…。まったく参りました、森見登美彦さん。
読書中、掻き乱されっ放しでしたよ!いつ以来かな、読書中、変な汗止まらなかったの!?

何ていうのかなぁ、絶妙なんですよね、森本くんって。自分を袖にした水尾さんを、
大学休学してまで【研究】する癖に…。驚く程、冷静に自己分析が出来ていて

『ではお前が「選ばれている」と信じ込んでいる根拠は
どこにあるのだと問われれば私の方が教えて欲しいぐらいである。』

だなんて、運よく気がつけた所で、素直に認めて表明したりなんて、
少なくとも学生の頃の自分には到底出来ない芸当でしたもの!!。

そんな彼と現実世界の摩擦により生まれた、
無意識の破れ目を縫うように走る叡山電車の光の描写も美しく素敵でした。

京都の町を抜け、太陽の塔から宇宙へと至る。そこには水尾さんの存在がある。
初めて自分の取って置き、秘密を共有してくれた異性に、

男子って奴は神秘を感じるものなのかも知れないなぁ、等と、顔から火柱が立つ位の、
こっ恥ずかしい事を考えてしまいましたよ。あぁ、なんて事だ!落ち着いて書評に戻り給えよ、君。

終盤のクリスマス騒乱後に、森本くんが、作戦参謀を務めた親友飾磨くんと
交わす会話のクールさにも、ファンタジーが満ち溢れていて好きでした。

ここで一度、気持ちがフラットに戻されてるので、
ラスト二頁で森本くんが気づいた事の美しさ、際立っているんだと思います。

青春真っ只中の人は勿論、現在でも自分の通過した青臭い時間が原動力だと、
思える全ての人に読んで欲しい一冊です!!

◎過去書評にも気軽にコメント下さいませ。一冊の本について話が交わせる事を嬉しく思います◎

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 本ブログへ
読んで気に入って頂けたら応援宜しくお願い致します!励みにして書き続けます。

テーマ : オススメ本
ジャンル : 小説・文学

SNS「本カフェ」参加中!

ランキングに参加しています!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイスト志望へ

プロフィール

花房雨

Author:花房雨
藤長聖子です。

皆様、お友達になって下さいね。お声かけてくれたら嬉しいです。
初めてこのブログを読まれる方は、こちらから読まれてくださいね。

【ラブ&シェアについて】親愛なる皆様へ

【藤長聖子のプロフィール】

≪O型・おひつじ座≫≪1979・3・26生まれ≫≪持病・バセドウ氏病≫

≪好きな人たち↓≫

作家:よしもとばなな・吉本隆明・田口ランディ・西原理恵子・角田光代・山崎ナオコーラ 音楽:THE BLUE HEARTS・大貫妙子・松任谷由実・池田綾子・S.E.N.S 画家:デナリ・ダリ・シャガール・バスキア 映画:アマデウス・サイダーハウス・ルール・ハリーとトント・めがね・ビリー・ワイルダー 落語:立川談春

福岡県在住・紅茶と猫と読書・イラスト描くこと・文章・詩を書くのが好きです☆

◎このブログ・私たちは著作権を放棄しておりません◎

イラスト等を使用されたい場合はメールにてご連絡下さいませ♪

love_heartgraffiti★yahoo.co.jp ★を@に変えてご連絡下さい。

※あきらかに当ブログと関係のないと思われるコメント・TBや『これはひどいなぁ』と行き過ぎを感じさせるコメント・TBは削除させて頂く場合があります。ご了承下さいませ。

メールお待ちしています☆

名前:
メール:
件名:
本文:

HEARTGRAFFITIのすべて

ご訪問ありがとう!

☆検索☆

ジーナフウガの一冊入魂レビュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。